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小児生活習慣病に関する連載の第3回目です。前回のコラムはこちら。
小児生活習慣病予防には食生活を始めとする生活習慣がとても大切で、その子の一生の健康を左右するとも考えられています。
今回は、小児生活習慣病の予防につながるとされている対策についてまとめました。

幼児肥満対策 食事編

小児生活習慣病は、肥満症やメタボリックシンドロームを伴うため、幼児期から肥満にならない習慣を身に着けることが大切です。
「主食、主菜、副菜(汁物)が揃った組み合わせの献立で大皿盛りにせず、個別に盛り付ける」「野菜や海藻を使ったよく噛める料理を増やす」「外食や甘い飲みものを控える」などの食事、食習慣は肥満の予防に役立ちます。
さらに、塩分の多い加工品や塩蔵品、調味料などの使用を控えめにし、主菜は肉類・卵類・魚介類などまんべんなく取り入れるようにしましょう。
また、共食(だれかと一緒に食事をすること)はゆっくりよく噛んで満足感を得られたり、バランスの良い食事を伝える場にもなります。食材をちぎる、混ぜるなどのお手伝いは食品に親しみをもたせ、子ども自身の食べたい気持ちを引出すことに役立つと考えられています。

幼児肥満対策 補食編

幼児の場合、一度にたくさん食べられないため、3回の食事の他に補食(おやつ)が必要になります。
補食の目安量は、1日に必要なエネルギー量の 10~15%が適当とされています。1~2 歳は約100kcal、3 歳以上は約200kcal としますが、食事量や個人に合わせて次の食事に響かない量にします。食べる時間と量、質に気を付けましょう。菓子類や清涼飲料水を控えたり、市販のお菓子の袋をそのまま出すのではなくお皿に分けるなどの工夫をしましょう。

幼児期の運動

文部科学省は、平成 24 年に「幼児期運動指針」を策定しました。
幼児期運動指針では、「幼児にとって体を動かす遊びなど、思い切り伸び伸びと動くことは、健やかな心の育ちも促す」とあります。
さらに「幼児は様々な遊びを中心に、毎日、合計 60 分以上、楽しく体を動かすことが望ましい。」とされています。 “体を動かす”ことには、散歩や家の手伝いなど生活の中でのさまざまな動きも含まれています。

親子で生活習慣を見直してみましょう

幼児期は身近な両親や家族をお手本に、規則正しい生活習慣を身に着けてゆく大切な時期ともいえます。食べ過ぎや運動不足のほか、睡眠不足や朝食抜き、複数回のおやつ、早食い、遅い夕食、長時間のテレビやゲームなどは、肥満につながりやすい生活習慣です。大人にも子供にとっても大切な未来の健康のために家族でできることから取り組んでいきましょう。

親子で生活習慣を見直してみましょう

幼児期に肥満だと大人になっても肥満になりやすく、将来2型糖尿病や心筋梗塞を発症するリスクが高まることが分かっています。これを防ぐには、幼児期の早い段階に肥満予防や生活習慣の改善を始めることが重要です。
幼児肥満の場合、肥満を解消させることで血糖値や血圧、血清脂質が正常化することも多いです。ここで重要なことは、自己判断で通院を中止しないということです。生活習慣病は自覚症状のない病気のため、通院して検査を続けていないとコントロールできているのかわかりません。
また、学校健診などで異常を指摘された場合は、必ず医療機関を受診し、必要な検査・指導・治療を受けましょう。そして、一年に一度はからだの状態をチェックしましょう。


 

参考文献
・日本生活習慣病予防協会:「小児生活習慣病」
http://www.seikatsusyukanbyo.com/guide/clrd.php (閲覧日:2021年5月26日)
・富山大学:「小児の生活習慣と健康」
http://www.med.u-toyama.ac.jp/healpro/toyamast/toyamast.html(閲覧日:2021年5月26日)
・国立病院機構鹿児島医療センター(厚生労働科学研究班):吉永正夫
「未成年者、特に幼児、小・中学生の糖尿病等の生活習慣病予防のための総合検診のあり方に関する研究」
https://kagomc.hosp.go.jp/wp-content/uploads/2015/02/metabo-setsumei.pdf
https://kagomc.hosp.go.jp/wp-content/uploads/2015/02/metabo-postar.pdf
(閲覧日:2021年6月13日)
・日本小児科学会 「幼児肥満ガイド」
http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=110
(閲覧日:2021年8月5日)
・e-ヘルスネット「子どもの睡眠」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-007.html
(閲覧日:2021年8月3日)


 

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      18日前

      鈴木菜美さんが解説する小児生活習慣病に関する連載最終回です。今回は、小児生活習慣病の予防につながるとされている対策についてのまとめです。

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WRITER

小児期からの健康づくり

鈴木 菜美

●糖尿病療養指導士 糖尿病専門クリニックにて一年間で1000人以上の食事相談を受けた経験あり。 患者個々の気持ちに寄り添って行動することで、患者の不安解消、数値改善に貢献することができた。現在もその経験を活かして別の糖尿病専門クリニックにて、勤務。 ●「人と食と笑顔をつむぐ おやつ教室 tsumugi」主宰 だれもが食を学ぶことができたり、食事療法の不安を減らすための場所を作り、一人一人の希望に応えたいという想いから、愛知県の自宅にて、【低糖質のおやつ】【食物繊維が豊富なおやつ】【低カロリー満足おやつ】をテーマにして、簡単に作ることができるおやつを伝えている。今後は料理も伝えていく予定。 ●認知症予防レシピの提供 2017年3月より、株式会社エストコーポレーション様発行 『自宅に届く 脳とれドリル 脳レク』 に認知症予防をテーマにして考えたレシピを連載中。 毎月、認知症予防に有効とされている食材を一つ取り上げて、その食材を使ったレシピを2つ紹介している。 ●その他資格 日本糖尿病療養指導士 ホームヘルパー 医療事務 野菜ソムリエ

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