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2023年6月17、18日の2日間、仙台市の東北大学青葉山コモンズにて日本ビタミン学会第75回大会が開催されました。
このレポートコラムでは、日本最先端のビタミン研究の発信の場、日本ビタミン学会の内容や魅力お伝えできればと思います。

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日本ビタミン学会について

日本ビタミン学会第75回大会は「ビタミン・バイオファクターと研究者の想いを繋ぐ未来への懸け橋」のテーマのもと約100演題の一般講演、学会賞受賞講演、若手シンポジウムなどが行われました。一般演題では医学、薬学、農学、栄養学など幅広い分野からの報告があり、非常に活発なディスカッションが繰り広げられていました。
演題の中には各大学、各研究者による特許出願前のデータや論文投稿前のデータなどもあるため具体的な講演内容には触れられませんが、ビタミン学会の熱気や興味深さをお伝えできれば幸いです。

一般演題

一般演題では、「欠乏症や過剰症は?」などの教科書的な話ではなく、『動物を用いた研究を行う際の一般的な飼料は、そもそも特定のビタミン研究に適しているのか?』といったさまざまな研究の基礎となるものや、『それぞれのビタミンが有する抗酸化能やがん細胞に対する細胞死誘導能を最大限に引き出すための解析』といった薬剤開発につながる研究、『国民健康・栄養調査の二次解析』、『特定地域を対象にした横断研究』などの疫学研究、『サプリメント摂取時の母乳中ビタミン量の変化観察』のような動態研究に関連する話がありました。さらには『ある食材に含まれる酵素に着目した食品の応用的な活用』など、試験管中の事象からヒトを対象にしたものや、化合物だけでなく食品を対象にしたものまで多種多様な報告がありました。「ビタミン」という化合物群に重心を置いた学会ならではの、ニッチかつ世界最先端の知識や情報に触れられる非常に濃い2日間のプログラムでした。

学会賞講演・若手シンポジウム

学会賞受賞講演では、ビタミンの代謝や補酵素としてのはたらき、II型くる病モデル動物を用いたビタミンDの生理作用についてなど、我が国のビタミン学最前線で活躍されておられる先生方の講演がありました。
若手シンポジウムでは、これからのビタミン学を担う新進気鋭の若手研究者による6演題の講演がありました。中にはウニなどの海洋性食品や、パプリカに含まれるカロテノイドの機能性についての研究など、将来、栄養士・管理栄養士の業務に関連が出てくるかもしれない講演もありました。

まとめ

昨年度この学会で私は、「ビタミンAに関連する肝癌細胞に細胞死を誘導する化合物についての研究」で若手シンポジウムに招待され発表しました。今年度は開催地が宮城県となり、私の居る長崎県からは飛行機の乗り継ぎで半日以上かけての大移動となるため、当初は参加を躊躇していました。しかし、実際に参加してみるとやはり全国で行われているビタミン研究の最前線に触れられ、非常に有意義な2日間を過ごすことができたと思えるものでした。
実験の話ばかりだと難しく感じるかもしれませんが、食品成分の分析や臨床試験、国民健康・栄養調査の解析など、栄養士・管理栄養士が身近に感じることのできそうな分野の報告も多数されており、昨今の代謝や生化学の深い知識が求められている栄養士・管理栄養士の勉強の場の一つとして有用ではないかと思っています。



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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      314日前

      日本ビタミン学会の様子を管理栄養士の田端 佑規さんに紹介していただきます。

      拍手 3

WRITER

日本ビタミン学会第75回大会に参加して

田端 佑規

活水女子大学健康生活学部食生活健康学科 博士(栄養学) 管理栄養士養成校で生化学などを教えています。 経歴・業績などはResearch mapまで。

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