カッサの効果は?セルフカッサのすすめ
カッサは専用のプレートで経絡に沿って体をこすり流し、「気・血」の巡りをよくする中国生まれの自然療法です。即効性が高く、特にむくみや倦怠感には1回で効果が感じられますが、継続することでダイエット・PMS(月経前症候群)・便秘・神経痛など、さまざまな症状の改善につながります。簡単で安全性が高いため、セルフケアにも最適な健康法です。
経絡とは、いわば気血の「通路」のようなもので、全身に分布しており、内臓とつながっています。たとえば足の裏側のラインは、膀胱に通じる経絡が走っていますので、そこに滞りがあると膀胱・腎臓に影響を及ぼし、むくみ・頻尿・耳鳴り・腰痛などの症状が出ることがあります。このように経絡と内臓は密接な関係があるため、体質改善に役立ちます。
「通路」の詰まりがなくなると、食事で摂取した栄養素も体の隅々の細胞にまで届くようになります。そうすると、代謝が上がり、老廃物をためにくい体へと変わります。また、「気」の巡りもよくなるため、イライラ・意欲低下などメンタル面の改善にも有効です。
歯磨きやストレッチのような感覚で、カッサを気軽に、こまめに行うことが効果を高める秘訣です。生活のルーティーンの1つとして、セルフカッサを取り入れてみてはいかがでしょうか。
カッサプレートがあれば自宅でもすぐにできる
カッサは、気になる場所にオイルを塗り、プレートでこするだけでいいので、自宅でもすぐにできます。はじめは経絡など難しいことは考えず、好きな場所をこすれば大丈夫です。
市販のプレートは形もさまざまですが、はじめての場合はシンプルなアーチ型や長方形がおすすめです。ボディー用なら、適度な重さがある素材で、サイズが大きめの方が、深部まで圧が入りやすく、初心者でも効果を感じやすいです。
オイルはマッサージ用のものが最適ですが、お手持ちの保湿用オイルでも問題ありません。慣れてきたら、ホホバオイルなどのキャリアオイル(注1)に好みの精油を入れて使うとより効果的です。
カッサの方法と注意点
カッサは穴のある場所(へそ臍・目・耳など)を避ければ、基本的に全身可能です。
頭痛がある場合は頭部、足がだるい場合は足、という風に、気になる場所にオイルを付けて、こすり流します。中医学では「不通則痛(ふつうそくつう)」』といい、気・血・津液(しんえき)が流れていない所は痛みがあると考えます。気になる場所は痛みが出なくなるまで、こまめにカッサをして、巡りを改善していきます。
デトックス効果が高いため、長時間のカッサは体の負担になりますが、部分的なケアでしたら毎日行っても大丈夫です。各部位を10~20回程度こするだけで、だるさが取れて、体がポカポカと温まるのを体感できます。(注2)
応用編!外出先・移動中でも簡単にできる
疲れやコリを感じたときに、服の上からカッサするのも有効です。
PC作業で頭がぼんやりする時は、頭・首・肩を流すとスッキリして集中力が回復します。また、長時間のフライトなどでは下半身の血流が悪くなりますので、座ったまま足をカッサで流すと疲労感が軽減され、エコノミー症候群の発症防止にも役立ちます。
カッサ習慣で体の声に敏感に
カッサ習慣が身につくと、体の声を敏感に感じとれるようになります。消化器系の経絡に張りや痛みがある場合、今日は食べ過ぎかも?ということに気づき、食事量を注意するようになったりします。頭部や首肩にゴリゴリと引っかかりがある場合は、「気」が上部に上がりすぎていて、リラックスが必要なサインかもしれません。
その日の疲れはその日のうちに癒すことが大切です。毎日5分だけでもカッサを継続すると、次第に体が変わってきます。ぜひ、セルフカッサで自分の体をメンテナンスする習慣を取り入れてみてくださいね。
注1 精油を希釈するために使う植物油のこと
注2 悪性腫瘍・皮膚疾患・妊婦の腹腰部は避けてください。また、出血傾向・重度の糖尿病・肝臓や腎臓の機能低下がある方のカッサは厳禁です。
参考図書:「全息経絡刮痧療法」 著者 運瑶 2009年 (株) 柏艪舎
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