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冬のお悩みで多い冷え・むくみ・肩こり・乾燥肌。これらは言わば未病の状態です。これらは栄養不足が大きく関係していることが多いため、栄養を補う事で体の中から改善することができます。そこで今回は冬本番を元気に迎えるためのポイントについて、中医学の視点を交えて解説します。

冬の不調の原因は?

女性は「陰」「虚」、男性は「陽」「実」に偏った体質を持つ方が多いため、性別でダイエットや体質改善において根本的に対策が違います。女性は「虚体質(足りていない)」事が圧倒的に多く、特に「血虚(けっきょ)、(血の不足)」が冷え・乾燥肌などを引き起こしています。血は、栄養・酸素などを運び、体を濡養(じゅよう)し※温める働きを持ちますが、月経・睡眠不足・ストレス・PCやスマホによる目の酷使などにより消耗されてしまいます。
※濡養(じゅよう)=液体によって栄養を授けるという意味

あなたの「血」は足りていますか?

中医学でいう「血(けつ)」は西洋医学でいう「血(ち)」の概念と一致する部分もありますが必ずしも同一ではありませんので、ここでは血の生成と関わりの深い、鉄の摂取状況を西洋医学的データから見ていきます。
平成27年国民健康栄養調査によると、20~40代女性の鉄の平均摂取量は6.6㎎/日と、推奨量の10㎎/日を大きく下回る結果となっています。さらに女性の鉄の摂取不足を裏付けるデータとして、平成21年の同調査で、フェリチン値(体内貯蔵鉄)があります。男性の平均値は139.6ng/mlなのに対し、20~40代の女性では22.5ng/mlと大きな差があります。全体の分布では、20~40代女性では 基準値以下となる10 ng/ml以下が約28.5%、レットゾーンとなる20 ng/ml 以下が約58.4%となっており、女性の大半が体内の貯蔵鉄を枯渇させていることが分かります。
疲れやすい、顔色が冴えない、肌ツヤがない、PMSが重い、朝起きるのがつらい、気分にムラがあるなどは、まさに血の不足で体が冷えているサインです。血が足りないと、外側からいくら体を温めても冷え性や肩こりは改善されません。

血を増やし、血を流す食品

冒頭でも述べたように、「虚体質」の女性の冷え対策は「補(=おぎなう)」ことです。冷えや肩こりを防ぐには、血を補い、血を流す(血流促進)食材をとる事がポイントとなります。血の材料として主なものは、たんぱく質、鉄、ビタミンB12、葉酸。特に鉄は吸収率の悪いミネラルですから、吸収率の良いヘム鉄(赤身の肉や貝類・カツオ・レバーなどに多い)を小まめに取り入れましょう。血を流すものとしてはビタミンE、ファイトケミカル(抗酸化食品)などがあり、これらはアーモンド、たらこ、魚卵、いわし、カボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれます。

肌の潤いを増やす食品

また、血糖値と肌の水分量は相関することが国内の研究で報告されています。血糖値が急上昇すると肌の水分量も減少するため、糖質のとり方を工夫しましょう。ご飯に雑穀を混ぜる、食物繊維を十分にとることで血糖値の急上昇を防げます。また、肌再生や糖代謝ホルモンであるインスリンの合成には亜鉛やビタミンB群も不可欠です。これらが欠乏すると肌荒れを起こし疲れやすくなります。亜鉛は牡蠣・牛肉・納豆に、ビタミンB群は豚肉やうなぎなどに多く含まれます。

ヘルシーメニューは血虚の原因

ここで紹介した、血を作る、肌の潤いを保つ栄養素の多くは、ビタミンB12、ヘム鉄、亜鉛に代表されるように動物性食品に多く含まれます。植物性食品・野菜中心のいわゆるヘルシーメニューや、パスタなど麺類に偏った食事では、血を作る材料が不足してしまいます。動物性、植物性ともにバランスよく取り入れましょう。
血はすぐには増えませんので、日ごろからしっかり食養生することが大切です。

血を増やし、サラサラと滞りなく循環させてあげる事で体の末端まで栄養素を届け、ポカポカと潤いに満ちた体を作りましょう。

参照:厚生労働省HP ・国民健康栄養調査H21年度(フェリチン値最新データ年度より)
   厚生労働省HP・国民健康栄養調査H27年度(ヘモグロビン値最新データ年度より)
   「美人の食卓は1日2000Kcal」 講談社 細川もも

 

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みんなのコメント( 3

    • 篠塚 明日香
    • 篠塚 明日香
      13日前

      本当、寒さ本番ですね!
      女性にとって鉄対策は重要ですよね。
      しかしミネラルはビタミンとは違って、量を摂ればいいという単純なものではないのが難しいと感じます。

      1

    • 山岸 奈緒美
    • 山岸 奈緒美
      20日前

      美容にも鉄分が大きく関わると最近よく目にしますね。血を造ることをより意識していきたいと思います!

      1

WRITER

冬の美容食-中医学の視点から-

篠塚 明日香

中医館 香(シャン)店主 NPO法人中医高級保健刮痧師 AEAJアロマテラピー1級 アンチエイジングプランナー 「食事とカッサで体質改善」 不定愁訴の改善、エイジングケアを専門としています。食事療法をより一層、効果的なものにするために、自然療法カッサ、カッピングで、体の中から外からアプローチします。  

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