肺は、身体の中で最大の容積をもつ臓器です。
身体は常に酸素を必要としていて、肺は全身の細胞に酸素を供給する、生命の維持に欠かせない臓器です。
世界的な脅威、COPDを知っていますか?
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は肺気腫と慢性気管支炎の総称で、国際的に名称を統一することをWHOが提言し、2001年に、国際ガイドラインに明記されました。
COPDはChronic(慢性に経過する)、Obstructive(閉塞性:気道内の空気が通りにくくなる)、Pulmonary(肺の)、Disease(病気)の頭文字で、日本語では慢性閉塞性肺疾患と訳されています。
代表的な慢性呼吸器疾患の一つで、肺胞の破壊や気道の炎症が起き、息切れなどの症状が次第に重くなっていく病気です。
COPDの患者数はなんと2億人
世界では、COPDの患者数は2億人、年間死亡者数も300万人とも言われています。
今後さらに増えるとされていて、2020年には、世界の死亡原因の3位になると予想されている、恐ろしい病気です。日本も例外ではなく、増加傾向にあります。
第2次世界大戦後、それまでは高級な嗜好品であったタバコが大量生産され、多くの方々を虜にしていきました。ニコチンが肺に入り、毛細血管から吸収されると、わずか7秒ほどで脳に達します。脳にニコチンの受容体が作られ、ここにニコチンが結合すると、ドーパミンが放出され、爽快感、満足感を生み出します。これを繰り返すうちに現れる、イライラなどの離脱症状(禁断症状)を避けるため、喫煙をやめられなくなるのです。
さまざまな病気をもたらすCOPD
肺は身体の中にある臓器ですが、皮ふと同じように、いつも身体の外の空気にさらされている状態にあります。そのため、身体の外から繰り返しタバコの煙などの有害物質が入ってくることにより、肺に炎症が起きるのです。肺の炎症はゆっくりと進んでいきます。
そして肺の炎症に伴って放出される有害物質が血液の流れにのって、身体中に炎症を広げていきます。
血管を傷つけ、高血圧・心不全・脳梗塞・胃腸障害・骨粗しょう症・糖尿病・うつ病などを引き起こしやすくなります。
次回は、COPDの予防とかかってしまった場合の食事の摂り方についてです。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)予防のための食事②
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