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食品の原材料表示について1 食品添加物の分類

食品添加物という言葉は良く聞きますが、実際に食品添加物とは何かと質問された時にしっかり返答できる人は少ないのではないでしょうか? 食品添加物は一般消費者も非常に関心の高い項目でもありますので、急に質問されても困らないように一般的な知識を以下の3点に分けてここで紹介させていただきます。

 ・食品添加物の定義
 ・食品添加物の種類
 ・食品添加物を使用する理由

食品添加物の定義

食品添加物の定義は食品衛生法で下記のように定められています。

添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工、もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。

要約すると、食品添加物とは食品の風味を豊かにしたり、保存性をよくしたり、物性を変化させたりするために利用されるものを指します。物性を変化させる添加物としては、豆乳を固めて豆腐にするときに加えるにがりが該当します。

食品を作る時に使用されるため、知らず知らずのうちに口に入っている食品添加物には、非常に多くの種類が存在します。ただし、食品の製造で使用できる食品添加物は厚生労働省によって定められています。

食品添加物の種類

食品添加物という名称ですが、食品添加物はさらに細かく4つに分類されています。

指定添加物
既存添加物
天然香料
一般飲食物添加物

それぞれについてもう少し詳しくみていきましょう。

・指定添加物
食品衛生法に基づき厚生労働大臣が指定した添加物です。
食品衛生法施行規則別表第1「指定添加物リスト」に収載されており、平成27年9月18日現在、449品目が指定されています。

・既存添加物
わが国で長年使用されている既存のもので厚生労働大臣が認めた添加物です。
既存添加物名簿には365品目が収載されています。

・天然香料
りんごや緑茶、乳などの動植物由来のものです。
「天然香料基原物質リスト」に612品目の基原物質が収載されています。

・一般飲食物添加物
食品衛生法で『一般に食品として飲食に供されているもので添加物として使用されるもの』と定義されているものです。食品に鉄分プラスなど書いている場合の鉄などがこれにあたります。

添加物を使用する理由

添加物を使用する食品は基本的に加工食品になります。加工食品は食品メーカーで製造されますが、商品ができ上がるまで様々な工程を経ることになります。また、商品ができ上がったあとも安全で衛生的な状態を維持させながら、消費者の口に届ける必要があります。このような一連の流れの中で、より良いものをより効率的に作る手助けになるものが添加物です。

では、使用例を挙げながらどのような使用方法があるかみていきましょう。

1.食品の製造に必要なもの
・豆腐を固めるために使用するにがり(塩化カリウム)
・ビールをろ過するときに使用する活性炭など

2.食品の風味や外観をよくするもの
・グルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸
・ハム、ソーセージなどの色をよくする発色剤(亜硝酸ナトリウム)
・食品の色をはっきりさせる着色料など

3.食品の保存性をよくし食中毒を防止するもの
・菌の増殖を防止する静菌剤(グリシン)
お茶などの酸化を防止する酸化防止剤(アスコルビン酸ナトリウム<ビタミンC>)など

4.食品の栄養成分を強化するもの
栄養補助ドリンクに配合されているもの(ビタミン、ミネラル、アミノ酸)など

このように私たちの身の回りにあふれている食品添加物ですが、一方的に悪者にされる場合もあります。添加物のすべてが体に害があるわけではありません。正しい知識を持っていることで、何が正しく何がおかしいか判断することができます。添加物という言葉を誰もが知る言葉になった今、その内容を知っていることが重要になってきます。

 

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みんなのコメント( 1

    • ID: 313
      2541日前

      食品の裏の成分表示で食品添加物がたくさん使われていると、微妙な気持ちになりますが、なくてはならないものなんですね。

      拍手 0

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食品の原材料表示について① 食品添加物の分類

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