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子どもが食べ残しをするのはどうして?

離乳食から幼児食に移行するころになれば、ほとんど大人と同じ食事を食べられるようになる、そう思っている方も多いのではないでしょうか? しかし、実際には、そううまくはいきません。子どもが決まった食材を残したり、一度口に入れたものを出してしまったり、なかなか、思うように食べてくれないことがあります。そうすると「好き嫌いがはじまった。」、「離乳食のころは食べていたのに…。」と悩んでしまう方もいらっしゃいます。

子どもが食事を残す理由としては、お腹が空いていなかったり、眠かったり、単純に好きな味でなかったりなど、さまざまな理由が考えられます。また、それ以外にも、まだ奥歯が生えそろってないため、子どもにとって食べづらい、食べにくい食材であるという可能性もあります。

咀嚼(そしゃく)機能の発達は、食事による栄養の吸収の基本となります。今回は、その手助けとなれるように食事の提供方法について、お話をしたいと思います。

子どもの咀嚼機能にあわせた調理の工夫

子どもの奥歯が生えそろうのは、個人差があり2歳6か月~3歳6か月ごろといわれています。それまでは歯と歯に隙間があり、かみつぶすことはできても、かむ力はまだ強くないため、すりつぶすことはできません。

★離乳期から幼児期前期の子どもが苦手な食材
1)ぺらぺらしたもの…レタス、わかめ
2)皮が口に残るもの…豆、トマト
3)硬すぎるもの…かたまり肉、えび、いか
4)弾力のあるもの…こんにゃく、かまぼこ、きのこ
5)口の中でまとまらないもの…ブロッコリー、ひき肉
6)唾液を吸うもの…パン、ゆで卵、さつまいも
7)匂いの強いもの…にら、しいたけ
8)誤飲しやすいもの…こんにゃくゼリー、もち

上記の食材は食べることができても、咀嚼はしておらず嚥下にたよっている可能性もあります。大人と同じ食材の形や固さでは、十分に咀嚼せずに飲み込む癖がついてしまうため、かたまり肉は小さく切ったり、ひき肉はあんかけ料理にしたりと、調理を工夫しましょう。

1歳6カ月(第一乳臼歯が生えはじめるころ)から、3歳過ぎ(乳歯列のかみ合わせが完成する)までは、奥歯で咀嚼することを学習する大切な期間です。形があるやわらかい食材を使った料理を用意して、噛みつぶす練習をさせてあげましょう。また、食べるときは、床に足がついているか、イスに足置きがあると、足がブラブラせず食事に集中でき、噛む力が上がるそうです。

離乳食を卒業しても、大人と同じ食事ができるようになるには、まだ時間がかかります。あせらずにゆっくり食べる練習をさせてあげましょう。

参考:
日本小児歯科学会 歯からみた幼児食のすすめ方
http://www.jspd.or.jp/contents/main/proposal/index03_06.html#pro06

 

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