「実践に使える!症例別薬膳講座(全10回)」の基礎編が、9月19日に追加開催されました。 講師は管理栄養士・国際薬膳師としてご活躍中の大倉あやこ先生です。
「薬膳」という言葉は聞いたことがあるという方でも、いざ学ぼうとすると少し難しそうなイメージがあるかもしれません。
しかし、本講座では心配ご無用です。中医学に基づいた本格的な内容を大変分かりやすく学ぶことができます。
薬膳の基礎を学ぼう
今回のテーマは薬膳の基本②「氣血津(きけつしん)、五臓六腑(ごぞうろっぷ)、秋冬の薬膳を学ぶ」でした。
前回の基礎編で学んだ内容のおさらいからスタートです。
中医学のコンセプト、陰陽五行学説の考え方、食べ物の性質を表す四性(しせい)・五味(ごみ)という概念や、春・夏・長夏の特徴について復習しました。
そして今回のテーマは、『中医学的身体の構成』です。中医学では、人体を構成する基本要素として「氣血津(きけつしん)」という考え方があります。
・「氣(き)」は、目に見えないけれども、運動性が高く、生命活動を維持するための基本物質です。
・「血(けつ)」は、西洋医学で言う血液のことです。体の隅々に栄養を届ける役目を持ち、精神活動とも深く関係していると考えます。
・「津(しん)」は体内の正常な水分の総称で、分泌液・消化液・汗・尿などを指します。体を潤す働きと、体内の老廃物を排出する働きがあります。津液は不足しても多すぎてもよくありません。
これらを整えることで健康や美を保つことができます。いずれかが欠けると体調や精神状態が乱れることがあるそうなので、氣血津を整える食材について詳しく学びました。
また、臓腑経絡(ぞうふけいらく)についても学びました。
まずは五臓六腑それぞれの機能と、臓腑がお互いに相関関係を持っていることを教えていただきました。また、これらの臓腑は経絡でつながっています。経絡とは氣・血・津液の通り道で、人体の各部分を互いに結びつけています。
体の内面でどのように臓器が関係しているのかを理解することができました。
独学では理解するのに時間がかかってしまいそうな複雑な考え方ですが、大倉先生の具体的な説明は大変分かりやすかったです。
さらに、秋と冬にかけて起こりやすい体の変化や特徴、それに伴った症状を改善するため、薬膳でどうアプローチするかという説明がありました。
本日の薬膳ごはんはこちら!
そして、講義が終了する頃には薬膳スープのいい匂いがしてきました。本講座では毎回、その回のテーマに沿ったレシピで作られた薬膳ごはんと薬膳茶が付きます。実際に食べて、薬膳を体感することができる大変魅力的なセミナーなのです。
今回のメニューは、
①当帰補血湯(とうきほけつとう)の鶏スープ
②生姜と黒きくらげのぽかぽかごはん
③白きくらげのつるつる薬膳スイーツ
④カルダモン茶
でした。
それぞれのレシピの特徴と、使用されている食材の持つ効能についても解説がありました。
薬膳スープは塩のみの調味でしたが、あまりの美味しさに参加者のみんながおかわりするほど人気でした。
最後に、参加者の方の質問に答えていただいたり、この日の受講生の顔色や体を見て、「○○が弱っていそうですね」と症状に合わせた経絡とおすすめのツボを教えてくださり、とても盛り上がりました。質問もたくさん飛び交っていました。
また、今回のメニューに使用されていた食材などの購入先についても、大倉先生から教えていただくことができ、充実した講座となりました。
次回講座は「お腹のトラブル」について
次回は10月21日(土)「お腹のトラブル(原因別の便秘・下痢への対処法を学ぶ)」です。中医学では、便秘・下痢にもタイプがあり、対処法もそれぞれ異なるそうです。
お申し込みは こちらから。
【管理栄養士による実践に使える症例別薬膳講座 】お腹のトラブル