「実践に使える!症例別薬膳講座(全10回)」の第4回目となる講座が9月24日(日)に開催されました。 講師は管理栄養士・国際薬膳師としてご活躍中の大倉あやこ先生です。
「薬膳」という言葉は聞いたことがあるという方でも、いざ学ぼうとすると少し難しそうなイメージがあるかもしれません。
しかし、本講座では心配ご無用!中医学に基づいた本格的な内容を大変分かりやすく学ぶことができます。
疲労にも様々な原因とタイプがあることを知ろう!
今回は「疲労回復・タイプ別の疲労の対策を学ぶ」というテーマでした。日常生活のなかで疲労は誰でも感じることがあるということもあり、大変身近で興味深いテーマでした。参加者の皆さんもとても熱心に聞き入っていて、質問も多く飛んでいました。
中医学の考え方では、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の7種類の感情の変動を「七情」と呼ぶそうです。この七情は人間が日々暮らしているなかで起こる通常の反応ですが、感情が過度になると臓器に悪影響を与え、しだいに働きが弱くなり体調不良につながると言われています。特に「思」は他人を気にしすぎるあまり体に不調が生じてしまう人ということで、まわりを気にする日本人に多く見られるそうです。
そして、疲労がある場合は、心身にどのような症状が起こっているのか特徴をみて疲労のタイプを知り、それに合った薬膳を食べるのが回復に良いそうです。
疲労には精神的疲労と肉体的疲労がありますが、今回は肉体的疲労の3タイプに焦点をあてて学習しました。
1つ目が「気虚」のタイプで、顔色が悪く、体力や抵抗力が弱い人。
2つ目が日本人に多い「脾虚困湿」タイプで、胃腸を酷使したことなどが原因で、食欲不振、下痢、むくみなどが起こる人です。
3つ目が「痰濁」タイプで、老廃物を体にためこんでしまい、休んでも疲れがとれないのが特徴です。
それぞれのタイプの疲れを改善するための食べ物や、気を付けるべき点について学びました。
「疲れ」とひとことで言っても、3つのタイプがあること、それらを改善するための薬膳を取り入れた疲労回復方法・食材選びのコツも教えてくださいました。
本日の薬膳ランチはこちら!
本講座では毎回、その回のテーマに沿ったレシピで作られた薬膳ランチと薬膳茶が付きます。実際に食べて、薬膳を体感することができる大変魅力的なセミナーなのです。
今回のメニューは、
①えびとわかめのきびライス※1
②酢辛湯 豚肉と黒酢のW効果!※2
③疲労回復 黄金サラダ
④薬膳茶 でした。
薬膳茶は大倉先生の特製で、毎回違う食材を合わせてブレンドしてくださいます。
今回はハイビスカスと膨大海(パンターハイ)という木の実を使った、疲労回復にぴったりなお茶でした。
それぞれの疲労の症状に合わせたレシピの特徴と、使用されている食材の持つ効能について詳細な解説がありました。炊き込みご飯や薬膳スープは体にじんわりとしみこむような優しいおいしさで、参加者のほとんどの方がおかわりをするほどでした。
※1 食材提供:寺岡家の有機醤油(濃口)(寺岡有機醸造株式会社)
※2 食材提供:きぬきくらげ「丸」(高橋石油株式会社)
最後は、大倉先生に参加者の方からの質問や悩みに答えていただいたり、この日の受講生の顔色や体を気遣って疲れの症状に合わせた経絡とツボマッサージや、疲労回復に効果的なツボを教えてくださり、大変有意義な時間となりました。
また、今回のメニューに使用されていた食材などの購入先や選び方、自宅でできる薬膳茶や薬膳料理作りのコツについても、大倉先生から教えていただくことができ、充実した講座となりました。
溜め込みやすい疲れですが、薬膳で上手に身体の回復を促していきたいですね。いますぐ実践できる知識と技術を学ぶことができました。
第5回目となる次回は10月21日(土)「お腹のトラブル 原因別の便秘・下痢への対処法を学ぶ」です。悩むことが多い身近な悩みにもなっていますので、大変興味深いテーマです。
お申し込みは こちらから。
【単発コース:第5回 10/21(土) 管理栄養士による実践に使える症例別薬膳講座 】お腹のトラブル
実践に活かせる薬膳を学ぶことができる、貴重なこの機会にぜひご参加ください。
これまでの薬膳講座のレポートはこちらから!
・【管理栄養士による実践に使える症例別薬膳講座】第3回 風邪対策 開催
・【実践に使える!症例別薬膳講座】薬膳の基本②(追加) 開催しました
・【実践に使える!症例別薬膳講座】薬膳の基本①(追加) 開催しました
・【管理栄養士による実践に使える症例別薬膳講座】薬膳の基本② 開催
・【管理栄養士による実践に使える症例別薬膳講座】薬膳の基本① 開催
・管理栄養士による体験講座「はじめての薬膳講座」イベントレポート