COLUMN

高齢者の食事・介護食[在宅高齢者へのアプローチ]シリーズの第4回です。

ロコモティブシンドロームとは?

ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、運動器の障害による移動機能の低下した状態を表す言葉として、日本整形外科学会にて提唱されました。また、運動器症候群とも呼ばれます。
ロコモティブシンドロームの患者さんは、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板などの運動器のいずれか、もしくは複数に障害が起き、歩行や日常生活に障害をきたしています。かつての日本では、このような概念は存在しませんでした。しかし、高齢者人口が増加し続けている昨今、運動器を長い期間使い続ける時代だからこそ、起こる現象なのです。ロコモティブシンドロームはいわば、日本の現代病とも言えるものではないでしょうか。
運動器症候群とよく似た言葉で、運動器不安定症という言葉も存在しますが、こちらは保険収載された疾患概念であり、“高齢化により、バランス能力および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態”と定義されています。

ロコモティブシンドロームの基準

ロコモ度テストというものが、日本整形外科学会より作成されています。
1. 立ち上がりテスト(下肢筋力)
2. 2ステップテスト(歩幅)
3. ロコモ25(身体状況、生活状況)
以上のテスト結果より、ロコモティブシンドロームに当てはまった場合には、“ロコトレ(ロコモーショントレーニング)”と呼ばれる、トレーニングメニューが用意されています。

ロコモティブシンドローム対策の食生活

ロコモティブシンドローム対策の食生活で気を付けたいのは以下の7点です。
1. 標準体重の維持
2. 五大栄養素を1日3回の食事でバランスよく摂取する
3. 栄養バランスは1週間の中で整えても大丈夫
4. 献立に変化をつけて楽しい食卓を
5. 十分なカルシウム、ビタミンD、ビタミンKの摂取
6. カルシウムの吸収を妨げる塩分やリン、カフェインの摂りすぎに注意
7. 十分なエネルギー、たんぱく質の摂取

しっかり動いて、しっかり栄養補給を行って、ロコモに負けない身体づくりをしたいものですね。

参考文献:日本整形外科学会ホームページ(http://www.joa.or.jp/public/locomo/)

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・高齢者の栄養ケア~褥瘡編~
・在宅介護における「介護食」の実際①
・高齢者が低栄養にならないために

みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      2224日前

      Eatreat編集部です。
      本日のコラムは在宅高齢者へのアプローチシリーズの「ロコモティブシンドローム」です。
      聞き慣れない言葉かもしれませんが、今とても問題になっています。

WRITER

横原 夢見

病院勤務を経て、現在はフリーランスとして専門学校の非常勤講師、コラム執筆、地域活動などを行っています。

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