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管理栄養士が普段の特定保健指導で活用できるような症例別の情報をお届けするシリーズです。今回は「やせ」についてです。
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やせの原因、やせとは

エネルギー収支バランスは、「(エネルギー摂取量)-(エネルギー消費量)」として定義されています。よって、エネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回ると体重が減少し、やせにつながります。
また、エネルギー摂取量は、以下のようなさまざま因子によって影響を受けます。

①食事の栄養素性・特性
②摂食パターン
③個人の内的・心理的要因
④外的・社会的要因
⑤空腹感、満腹感調整機構
⑥その他の生物学的要因

やせが長引くとどうなるか

成人者における体重管理は、主にBMI(体格指数)を用いることが多いですが、やせにおいても肥満者同様、さまざまな疾病のリスクが増加します。ただし、糖尿病、循環器疾患の発症率や循環器疾患並びに総死亡率との関連は、BMIよりも腹囲や腹囲・身長比の方が強いとの報告があり、一概にBMIのみで判断するのは好ましくないでしょう。

やせの食事・栄養摂取等で注意するポイント

上記で挙げたように、やせは遺伝的素因や、体組成や疾患などの原因によってエネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回る、認知的素因など多様な原因の結果起こる状態です。よって、対応もさまざまです。上記の原因に合わせて、一部対応例を挙げます。

①エネルギー密度の高い食品を選択する
②ポーションサイズを小さくしたり、食品数を少なくしたりして全量摂取を促す
③ストレスの緩和
④食品入手ルートの整備
⑤疾病の治療
⑥良質な睡眠の確保、身体活動量の調整

などです。

やせの食事で「特に」注意したいポイント

上記の「①エネルギー密度の高い食品を選択する」についてですが、例えば鶏肉を摂取する場合、同じ量を摂取するなら、ささみよりも胸肉を選択した方が、単位量あたりのエネルギーは高くなります。
次に、食品自体のエネルギー密度が高くない場合でも、ひと手間加えて密度を上げる工夫の一部についてご紹介します。

(1)水分含有量が多く、単位量あたりのエネルギーが少ないトマトなら食べられるという場合
何もつけずに摂取するのではエネルギー摂取効率が悪いので、マヨネーズやドレッシングをかけたり、オリーブオイルで焼いたりしてもいいかもしれません。

(2)(1)同様、水分含有量が多い果物なら食べられる場合
カットしてはちみつや練乳などをかけてはいかがでしょうか。また、腎疾患の方に多く使用されている特殊治療用食品の粉あめでシロップを作って、かけるとより効率よくエネルギー摂取が可能となります。

(3)経腸栄養剤を処方されたが口に合わず摂取ができない
少量ずつ料理に混ぜれば、味のマスキングを行いながら摂取することが可能になります。また、普段飲んでいる飲料をお茶からジュースなどに変えることで、経腸栄養剤をそのまま飲むことが出来ない方でも、水分摂取と同時にエネルギー摂取が可能になります。

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      1856日前

      Eatreat編集部です。今回は、特定保健指導で使えるコラム、テーマは「やせ」です。やせの食事・栄養摂取等で注意するポイントなどを学んでもらえたらうれしいです。

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WRITER

やせの方への指導 -より効果的な時間にするために-

横原 夢見

病院勤務を経て、現在はフリーランスとして専門学校の非常勤講師、コラム執筆、地域活動などを行っています。

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