栄養価計算では、レシピ上の食材と食品成分表での食品を一致させなければなりません。本コラムでは、選択を間違えやすい食品を食材群別にご紹介します。前回のコラムはこちらをご覧ください。今回は肉類と野菜類からピックアップしました。
①牛肉
食品成分表での牛肉は、「乳用肥育牛肉」「和牛肉」「輸入牛肉」「交雑牛肉」「子牛肉」に区分されています。一般的に国産牛は「乳用肥育牛肉」、黒毛和牛やブランド牛は「和牛肉」、アメリカやオーストラリアなどの外国産牛は「輸入牛肉」を選択します。
交雑牛肉は生産コストの引き下げなどのために交配した品種ですが、和牛よりも安価なことから、スーパーマーケットなどでの販売を見かけるようになりました。小川原湖牛やみちのく奥羽牛など、交雑種であることが明確で指定がある場合は「交雑牛肉」を選択します。
子牛肉は幼齢牛の肉を指しますが、日本の家庭の食卓に並ぶことは少ないのではないでしょうか。飲食店などのメニューで取り扱っている場合、栄養価計算の依頼で「子牛肉」を選択する機会があるかもしれません。
②豚肉
食品成分表の豚肉は、「大型種肉」と「中型種肉」に区分されています。一般的に流通している豚肉は「大型種肉」、黒豚として流通している豚肉は「中型種肉」を選択します。
③鶏肉
食品成分表の鶏肉は、「親」と「若どり」に区分されています。一般的に流通している鶏肉は肉用鶏(ブロイラー)なので「若どり」を選択します。一方で卵を採ることを目的とした卵用鶏(レイヤー)は、数年の採卵期間を終えると食肉として流通することがあります。その場合は「親」を選択します。
④かぼちゃ
食品成分表のかぼちゃは、「西洋かぼちゃ」「日本かぼちゃ」「そうめんかぼちゃ」に区分されています。西洋かぼちゃはでんぷん質が多く、粉質でほくほくとした食感と強い甘みが特徴です。一般的に流通しているかぼちゃは「西洋かぼちゃ」を選択します。
日本かぼちゃはでんぷん質が少なく、ねっとりした舌触りとあっさりした味が特徴です。日本かぼちゃという食品名に惑わされやすいですが、現在の日本では主流でありません。
そうめんかぼちゃはペポかぼちゃの一種で、金糸瓜ともいいます。茹でると中身がそうめん状にほぐれるのが特徴です。基本的にペポかぼちゃは観賞用ですが、そうめんかぼちゃは食用としても味を楽しめるため、食品成分表に収載されています。
本コラムでは、栄養価計算の際に選択を間違えやすい食品をご紹介しました。栄養価計算をする際の参考になりましたら幸いです。
参考文献
・文部科学省:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」、文部科学省、
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html、(閲覧日:2024年6月28日)
・農林水産省:「かぼちゃについて」、農林水産省、
https://www.maff.go.jp/j/kids/crops/pumpkin/column01.html、(閲覧日:2024年6月28日)
関連コラム
・栄養価計算とは? 基礎をまるわかり解説!①
・栄養価計算の疑問を解決!食品成分表に掲載されていない食材の計算方法は?