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「最近、太った?」と人に言われると、ちょっと気になってしまいませんか。そう言えばここのところ、少し食べ過ぎている上に、座っている時間が長くて運動不足気味かも…などと色々なことを考えてしまいます。
今回は「太る」ということについての基本的な知識を解説していきたいと思います。

「太る」とは、どういうことなのか

太るとは、体脂肪が増えることを言います。体脂肪が増えるのは、エネルギーの摂取量の方が消費量よりも多い場合です。
体脂肪は核を持つ細胞で、脂肪細胞を風船とすると、この中にはアブラが入っており、もうこれ以上入らないパンパンな状態になった時に細胞分裂が起きます。小児は育ち盛りのため、この分裂が盛んに行われますが、年齢を重ねるにつれて分裂は少なくなります。すなわち、成長期を過ぎたら、この風船(脂肪細胞)の大きさをいかに小さくするかということが重要となります。

「皮下脂肪」と「内臓脂肪」

お腹の脂肪には、「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つの種類があります。皮下脂肪は、腹筋と皮膚の間にあって体型をつくり、身体を保護します。内臓脂肪は、腹筋の内側につき、おもに大腸などの内臓を支える役割を果たしています。皮下脂肪はつまんだり、自分で触ることができますが、内臓脂肪に直接触ることはできないため、お腹が出てきたと一言で言っても、原因が内臓脂肪なのか、皮下脂肪なのか、両方なのかは見た目からだけではわかりません。
ちなみに腹筋が弱くなると、姿勢が悪くなって背中が丸くなり楽な姿勢をとるようになります。すると、筋肉を使わなくなるので、ますますお腹まわりに脂肪がたまりやすくなります。ちなみに、「お腹がぽっこり=メタボ」と思われるかもしれませんが、お腹まわりのサイズが基準値よりオーバーしても、ほかの検査項目をクリアしていれば、メタボではありません。(メタボについてはこのコラムの②で触れます。)

筋肉量・骨量の増加や水分摂取による体重増加は太ったことにならない

体重が増えても、筋肉や骨が増えて脂肪が減っているならば、太ったことにはなりません。水を飲んで太ったという方を見かけましたが、水のエネルギーはゼロ。飲んだ分だけ体重が増加したり、むくんだりすることはあっても、太ったということとは違います。また、サウナなどに入って汗をたくさんかいて体重が減ったというのは、単に水分が体外に排出されたということなので、痩せたことにはなりません。

エネルギー量について

水1リットルの温度を1℃上げるのに必要なエネルギー量を1kcalと表します。
糖質は1gあたり4kcalのエネルギー量になります。
脂質は1gあたり9kcalで、高エネルギーを生み出します。
たんぱく質は1gあたり4kcalのエネルギー量になります。
ちなみに、アルコールは1gあたり7kcalのエネルギー量になります。

そして、体脂肪を1kgためるためには、7,000kcalのエネルギーの過剰摂取が必要です。
すなわち、運動で1kg分の体脂肪を落とすためには、7,000kcalを消化する運動が必要となり、体重60kgの方の場合の運動量の目安は、以下の通りとなっています。

・犬の散歩を3,500分間
(10分間のエネルギー消費量20kcalとして計算)
・自転車こぎを約2,333分間
(10分間のエネルギー消費量30kcalとして計算)
・ジョギングを1,400分間
(10分間のエネルギー消費量50kcalとして計算)

とても大変な運動量です。日頃からまめに体を動かすのが大事ですね。次回は、太りやすさと体質の関係、そして「メタボ」について解説します。

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WRITER

人はなぜ太るのか ①「太る」とはどういうこと?

小山 幸子

現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等。 『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。 メカオンチのあがり症。 高校卒業後、会社員として8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。 教員より年上の生徒だった経験を持つ異色の栄養士。 毎日書道会 会友 (雅号:小山 桃花)

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