むし歯と砂糖の関係
口の中には約300種類、数にして数億~10億個の細菌がいます。その細菌が、口の中の糖分を食べ、プラーク(歯垢)になります。このプラークを放置していると、細菌がプラークの中で酸を発生します。この酸が歯を溶かし、むし歯になります。
砂糖は1日にどのくらい摂っていいの?
WHO(世界保健機構)のガイドラインでは、大人と子供の砂糖の摂取量について次のように勧告をしています。「過体重、肥満、むし歯のリスク軽減のために、砂糖の1日の摂取量を全エネルギー摂取量の10%未満に減らしましょう。」
これは実際にどれくらいの量になるのか、計算してみましょう。
<成人の平均摂取エネルギー量2,000kcalの場合>
2,000kcal/日×10%=200kcal
200kcal÷4kcal/g=50g/日 (砂糖は1g当たり4kcal)
以上から摂取エネルギー量2,000kcalの成人の場合、1日に摂取できる砂糖の量は50gとなります。食事で摂る砂糖の量と、おやつや飲み物で摂る砂糖の量を半分ずつと考えた場合、おやつや飲み物で摂れる砂糖の量は1日25gです。
さらに、WHOは2014年の新指針で、引き続き砂糖の摂取量「10%未満を推奨する」としつつも、「5%より低ければ、さらに健康増進効果を得られる」と追加しています。
25gと言われてもイメージしにくいと思いますので、いくつか例を挙げておきます。
砂糖の量の参考例
●カステラ(50g)→24g
●大福もち(90g)→24g
●メロンパン(130g)→36g
●アイスクリーム(120ml)→24g
●ヨーグルト(120g)→16g
●炭酸飲料(500ml)→56g
●スポーツドリンク(500ml)→32g
●野菜ミックス飲料(350ml)→16g
砂糖は2歳まで必要ない!?
American Heart Association(アメリカ心臓協会)では、2~18歳は砂糖を1日25g以下、加糖飲料は1週間で236mlに制限するよう示しています。また、2歳未満の子供たちには砂糖は必要ないとしています。
砂糖の制限はむし歯だけではなく、肥満の予防など健康増進のためにも有効です。「おやつや飲み物で摂れる砂糖の量は1日25g」を参考に食生活を見直してみてはいかがでしょうか。商品の裏に記載されている栄養成分表示を活用して1日の砂糖の量を把握しましょう(砂糖としての記載がない商品もあります)。
参考文献
(1)WHO(2003)「食生活と栄養および慢性疾患予防について」より
(2)AHA(2016)「子供は1日の砂糖の量を25g未満に抑えるべき/アメリカ心臓協会の科学声明」http://newsroom.heart.org/news/children-should-eat-less-than-25-grams-of-added-sugars-daily
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