高齢者向け食品市場の増加
高齢化率(65歳以上人口の割合)は、2016年時点で27%であり、2040年には35%を超える予測となっていて、高齢化率はますます高まっています。その影響で高齢者向けの食品市場も年々拡大し、高齢者施設では慢性的な人員不足が見られるという背景のなか、調理済み食品の需要が高まっています。また、在宅介護現場でも既製品を使用することで摂取栄養素の把握がしやすいということからも、高齢者向けの商品への注目度が高くなっています。
介護食と高齢者食との違いは?
高齢者食は加齢に伴うからだの変化に応じてつくる食事で、特別なものではありません。食材を噛み切りやすい大きさにすることや、飲み込みやすくするために水分を補う形態にするなどの工夫をすることで、普通食と同じように食事をすることができます。
一方、介護食は高齢者食よりもさらに加齢により弱まった機能を補うことが目的の食事のことをいいます。咀嚼力が低下している場合はやわらかい食事、嚥下力が低下している場合はとろみがついたものなど、喫食者の身体状況に合わせて食事を選ぶことができます。
ユニバーサルデザインフードって何?
ユニバーサルデザインフードとは、日常の食事から介護食まで幅広く使うことができる食べやすさに配慮した商品のことをいいます。このパッケージにはユニバーサルデザインフードのマークが記載されており、日本介護食品協議会が制定した規格に適合する商品にのみつけられています。商品区分は4つで、「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の表記がされています。そのため、この区分を目安に利用者に合わせた商品の選択が可能となります。
介護食のニーズがますます増加
高齢化の進行に加え、調理スキルや生活環境、介護者の状況によっても介護食のニーズは高まります。
独居で料理を思うように作ることが難しい状況の方や、老々介護により調理の負担が大きい方、また、介護する人が調理の時間を十分にとることができない場合などにも大活躍となることでしょう。
次回からは実際にどのような介護食があるのかをご紹介していきます。お楽しみに!
参照:
内閣府 「平成29年版高齢社会白書」 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_1_1.html
日本介護食品協議会 https://www.udf.jp/outline/udf.html
富士経済 https://www.fuji-keizai.co.jp/market/17084.html
インタビューした介護食はこちら
・『「まごころ込めて、おいしさへ、まっすぐ。」(株)ヤヨイサンフーズの冷凍食品』