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2019年7月27日、28日の2日間、神戸国際会議場にて2019年度全国栄養士大会が開催されました。大会開催中は、全国から管理栄養士・栄養士が集い、幅広い分野の栄養に関する知見を広げる機会となりました。今回は、大会で得た情報をノート式で皆さんにもシェアしたいと思います。

第1日目

◆講演:「専門職としての役割と倫理綱領〜とことん基本〜 基本研修Ⅰ」

講師:公益社団法人日本栄養士会 学術研究事業部 木戸康博先生

要旨
・管理栄養士、栄養士のミニマムスタンダード4項目(職業倫理、栄養の指導、栄養管理プロセス、行動変容の理論と実践)の中でも職業倫理が含まれている。
・栄養の指導業務は元々「保健師規則」に入っていたが、栄養士法が出来た際、保健師規則から栄養士法に移管された。
・平成12(2000年)に法改正がされ、医療に関する文言も追加された。
・Professional ethics は“職業倫理”と訳された。
・Professional は天職/公益的職業(公職)である。
・「栄養士という職業は公職である」これが本質!
・倫理綱領と業務規範によって職業倫理の枠組みを成し得る。
・「倫理綱領の注釈」には、管理栄養士、栄養士の使命、責務、栄養の指導の3つについて書かれている。

倫理綱領…専門職としての栄養士、管理栄養士の身の処し方の基本理念
業務規範…社会の要請に応えるために、栄養士、管理栄養士の業務のあり方を標準化したもの

・医の倫理綱領…医療の中にあっては、管理栄養士も医師と同様の倫理観や価値観を持つことが必要である。

Profession…専門職、専門職集団 ➡Crises S.R.(2002)カナダによるプロフェッションの定義を紹介
Professional …専門職個人(名称として)、専門職の(形容詞として)
Professionalism …専門職集団のあり方、専門職一人ひとりのあり方 ➡プロフェッショナリズムの定義

・全人的栄養のために、EBM(evidence based nutrition)をNBM(narrative based nutrition)が補完する必要がある。

 

◆メインシンポジウム:「Society 5.0と栄養業務―AIを活用した管理栄養士、栄養士の未来」

講師:日本栄養士会会長 神奈川県立保健福祉大学学長 中村丁次先生

要旨
・AIの活用による栄養管理の個別化により、栄養診断もAIが行う時代がくるかもしれない。
・生き延びてきた職業は、その時代の社会環境に適応し、人々の需要に応えてきた。
・認知的共感と情動的共感によって、行動変容が起こる。
・自己効力感を高めることで、行動の負担感を減らし、行動の恩恵に重心を移していくことが出来る。

 

(1)「経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会であるSociety5.0」

講師:一般社団法人 日本ディープラーニング協会理事 connectome.design(株)代表取締役 佐藤聡先生

要旨
・ヒト・コネクトーム…人間の神経回路地図全体のこと
・相手に共感する、想像することは現在のAIにはできない。
・1956年のAI(人工知能)が誕生➡2016から第3次AIブーム
・特化型AIで思考していないものは出ている。また、ある程度汎用的なものは出つつある。
・一方で、人間と同等の知能のものは出ていない。
・AIは蜃気楼➡これまで、AIを追い求めていたら別のものが見つかってきた流れがある。
・近年では、機械学習=深層学習がある。
・現在のAIは、学習を可能にするアルゴリズム×ビッグデータ×豊富な計算資源
・第4次産業革命:AI/IOTの開発➡各国により覇権争い
・現在のAI事例:論文要約、意思決定補助、医療など
・特定のドメイン知識、ITスキル/機械学習/統計/数学について学ぶと有効ではないか。

(2)「Society5.0にむけた基盤づくりー市民の健康データの利活用を考えるー」

講師:神戸市保健福祉局健康部健康政策課健康創造担当課長 三木竜介先生(医師、公衆衛生、疫学専門)

要旨
・健康創造都市KOBE…ビジョン、ミッション;誰もが健康になれるまち
・市民PHR(personal health record)システム;my condition KOBE
・40~60歳代がターゲット ➡参加者の約75%を占めている。
・検診結果、健康データ、歩数や食事、生活データ ➡健康アドバイス、ポイント特典
・データの研究利用…個人別に紐付けしている、匿名化したものを学系機関限定で提供している。
・“garbage in,garbage out”;ゴミからはゴミしか出てこない➡情報として入れるデータの質も重要。
・IOT、制度をAIなどの道具を通して、価値を生むことができるかどうかが重要。
・AIがデータを集められない子供、高齢者にはヒトの介入が必要。
・五感まで考慮された栄養バランスのとれた食事づくりはヒトが必要。
・現在、AIが対応しているのは未病の部分。
・AIは敵か味方ではなく、判断材料の1つ、生活を便利にする道具の1つ。
・AIやITなど異分野に参加する事で新たな発見があるのではないか。

 

◆講演:「我が国で2020年に開催する栄養サミットについて」

講師:外務省国際協力局国際保健政策室室長 鷲見学先生(医師)

要旨 ・2020年は様々な国際的な栄養目標の中間目標を行う重要な年。
・SDGs(持続可能な開発目標)の目標2に、栄養(飢餓)の目標が入っている。
・開催時期は未定だが、2020年の年末(11月末〜12月中旬)の2日程度を予定。

 

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      24日前

      Eatreat編集部です。今回は「2019年度全国栄養士大会」の議事録風レポートです。参加された方もされなかった方もぜひ。

      拍手 1

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WRITER

2019年度全国栄養士大会に参加して①

横原 夢見

病院勤務を経て、現在はフリーランスとして専門学校の非常勤講師、コラム執筆、地域活動などを行っています。

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