今年は麻疹(はしか)が大流行しました。なぜ、麻疹でそこまで大騒ぎだったのでしょうか。また、麻疹にかかってしまった場合どうしたらいいのかなど、栄養士としての立場からお話したいと思います。
高い感染力を持つ麻疹ウィルス
麻疹は感染した後、10日ほどの潜伏期間を経て、発熱や咳、鼻水といった風邪に似た症状が現れます。免疫のない人は100%感染すると言われており、非常に感染力が強いウイルスです。感染ルートとしては空気感染、接触感染、飛沫感染などがあげられます。栄養士の立場からお話すると、食事で免疫力UPして防止しましょうと言いたいところですが、麻疹については感染力が強いため、感染を防ぐために、「〇〇を食べて免疫力をつけましょう」とは言えません。
もちろん、毎日の生活の中で免疫力をつけておくことは、麻疹をはじめ他の病原体を撃退するためには必要ですが、絶対に防げると言えないところが非常に残念です。栄養士の仕事はどんな場合でも症状を治すことはできず、かかりにくくするとか、症状を和らげるとか数値を改善することでしかないのです。
麻疹の感染を防ぐためには?
では、麻疹にかからないようにどうしたらいいのでしょうか。一番有効な予防法は、やはりワクチンの接種です。日々、睡眠不足やストレスなど免疫力の低下につながること避け、免疫力をつけるために健康に留意し、ワクチンを接種しておくことがベストです。それに加えて、手洗いうがい、マスクなど基本的なことはしっかりおさえておきたいところです。
麻疹に感染した場合の食事
それでもかかってしまった場合には、症状を見ながら食事と水分補給をしましょう。麻疹に感染している時は体の抵抗力も下がっていますので、お粥のような消化吸収しやすいものがオススメです。そして熱が高い時は脱水症状にならないように水やお茶、薄めのイオン飲料などでこまめに水分補給をしましょう。また部屋の温度や湿度にも気をつけて過ごしてください。
麻疹は数日で回復するといわれていますが、中には後遺症や合併症を引き起こすこともあるようです。麻疹にかからないために、まずはワクチンの接種は必須です。今の日本では麻疹のワクチンは2回接種が推奨されています。まだ受けていない方や、一度しか受けていない人、妊娠を考えている女性の方などは思い立ったが吉日。毎日の食事も大切ですが、まずはワクチンの接種で麻疹にかかりにくい身体づくりをしましょう。
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