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お値段が手ごろで、栄養豊富だとして人気のサバ缶。生産量も、いまやツナ缶をしのぐほどですが、実は来月、消費者には痛~い値上げを控えているのです。背景には、いったい何があるのでしょうか? 鮮度抜群のお刺身に、脂したたる藁焼き。女性たちを魅了するのは、キラリと光るサバ料理です。 「“焼き”も良いし、生も良いし、しめても良いし」 「健康に良いってのはありますよね」 健康志向などの高まりなどから、人気上昇中のサバ。 「毎日、予約等も増えてきている。女性客のリピートが多くなってきている」(SABAR東京代官山店 中牟田修平店長) そんなサバブームの火付け役は、缶詰です。手ごろな価格で簡単に栄養を摂ることができるとあって、スーパーでも品薄に。生産量でも不動の人気を誇ってきたツナ缶を抜いてトップに立ちました。 空前のサバ缶ブーム。しかし、そこに水を差しかねないのが、値上げです。マルハニチロは9月からサバの缶詰33品目の値段を上げることを決めました。原因は、皮肉にも“サバ缶の売れ過ぎによるサバの仕入れ値の高騰”。さらには、こんな悲鳴も・・・ 「やはり大きいサバを本当は使いたいが、なかなかそこまで原料が調達できない」(武輪水産 太田敦史副課長) しめ鯖や缶詰などに適した大きいサイズのサバが手に入りにくくなったというのです。いったい何が起きているのでしょうか。千葉・銚子漁港などで水揚げされたサバが眠る巨大冷凍庫で異変が起きていました。 「これは小さいサイズですね。小さいサバは日本の人は食べない」(鈴木安太郎商店 鈴木康生専務) 実は、水揚げされたサバのうち、小さなサバの割合が増えているというのです。はたして、どのぐらい小さいのか。その差は一目瞭然です。その原因と言われているのが、サバの資源回復を狙って国が進めてきた“漁獲制限”です。サバの数は回復傾向にあるものの、全体のエサの量は変わらないため、1匹あたりのエサの量が減ってしまったといいます。そのため、「加工の手間のかかる割に身が少ない小型のサバばかりが獲れるようになってしまった」と指摘されているのです。 では、獲れてしまったのに使わない小さなサバは、どうなってしまうのか・・・。なんと日本から1万キロ以上も離れたアフリカの国々で食べられていました。アフリカ諸国では昔から安いタンパク源としてサバが食べられていて、日本からの小型サバの輸出が急速に増えているのです。 「アフリカは、どこの国もサバを欲しがっている。いくらでも買いたいって感じ」(鈴木安太郎商店 鈴木康生専務) 遠くアフリカも巻き込んだサバ人気。今年は安く手に入るのか、もうすぐ旬を迎えます。(30日18:14)
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