COLUMN

高齢者の食事・介護食[在宅高齢者へのアプローチ]シリーズの第6回です。

未病とは?

未病とは、健康と病気の間を指す概念であり、生活習慣を整えることで自ら病気を防ぐという古来中国発祥の予防医学的な考え方の一つです。
2017年12月には、日本未病システム学会により12月17日が「未病の日」として制定されました。
今まさに話題の未病。ライフステージによって、留意すべきポイントは異なってきます。それでは、どのような活動が必要なのでしょうか。今回は高齢者の方についてお話します。

高齢者では、以前お話した“フレイル”の状態がまさに“未病”と言えます。
フレイルについてはこちら↓
フレイル | 老化に伴う様々な機能低下による健康障害を起こしやすい状態への対策

フレイルの原因の一つで、身体的虚弱状態をサルコペニアと呼びますが、今回はサルコペニアの簡易的な診断方法である「指輪っかテスト」をご紹介します。

「指輪っかテスト」のやり方

対象者自身の両手の親指と人差し指で輪っかをつくり、ふくらはぎの一番太い部分を囲みます。すると、

① 囲み切れない人
② ぴったりの人
③ 隙間のできる人

の3パターンに分かれると思います。
①の方は問題ありませんが、②、③の方は①の方と比較してサルコペニアのリスクが高くなります。
その場合には、かかりつけの医師に相談されることをお勧めします。

サルコペニアの予防

サルコペニアの予防には、バランスのよい食事摂取と適度な運動が一番と言えます。やや詳細にお話しますと、適切な栄養摂取の中でも特に1日に、適正体重(kg):(身長(m)×身長(m)×22)
1kg当り1.0g以上のたんぱく質摂取が、サルコペニアの発症予防に有効である可能性があると言われています。しかし、元々の体重や疾患、活動量などにより必要量は異なってきますので、調整が必要です。

最後に

日本人の平均寿命は年々高くなっていますが、平均寿命と、心身ともに自立して健康的に生活できる期間である健康寿命の差は、男性で約9年、女性で約12年と報告されています。今こそ、自身の健康を自身で考え、自身でアクションを起こす必要があるのではないでしょうか。健康寿命を延伸するムーブメントを皆さんで起こしていきましょう!

参考文献
日本サルコペニア・フレイル学会ホームページ
サルコペニア診療ガイドライン2017年版のCQとステートメント
http://jssf.umin.jp/jssf_guideline2017.html

厚生労働省ホームページ
平成26年版厚生労働白書 ~健康・予防元年~
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/backdata/1-3-1-04.html

関連コラム
・フレイル | 老化に伴う様々な機能低下による健康障害を起こしやすい状態への対策 ・高齢者の栄養ケア~褥瘡編~
・在宅介護における「介護食」の実際①
・高齢者が低栄養にならないために

みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      1906日前

      Eatreat編集部です。今回は在宅高齢者へのアプローチシリーズの第6弾「未病への取り組み」です。

WRITER

横原 夢見

病院勤務を経て、現在はフリーランスとして専門学校の非常勤講師、コラム執筆、地域活動などを行っています。

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