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【日本人の食事摂取基準2020版)5つの指標について解説!】

前回のコラムでは、「日本人の食事摂取基準2020年版」はどのような目的で策定されているのかについてご説明しました。
今回は、策定されているエネルギーや栄養素の基準値の意味や目的を詳しく確認してみましょう。

エネルギーの指標と栄養素の指標

■エネルギー
摂取の過不足の回避を目的とする指標が設定されている。

■栄養素

【日本人の食事摂取基準2020版)5つの指標について解説!】
  1. ① 推定平均必要量(EAR):十分な科学的根拠が得られている
  2. ② 推奨量(RDA):推定平均必要量が設定されている栄養素については、推奨量も設定されている。ナトリウムについては過剰摂取が問題となるため推奨量は設定されていない。
  3. ③ 目安量(AI):栄養素の不足がほとんど考えられない栄養素で、科学的根拠が得られず推定平均必要量と推奨量が設定できない場合に設定されている。
  4. ④ 耐容上限量(UL):過剰摂取による健康障害の回避を目的として十分な科学的根拠が得られている場合に設定されている。
  5. ⑤ 目標量(DG):十分な科学的根拠があり、かつ現在の日本人において、食事による摂取と生活習慣病との関連での優先度が高いものについては目標量を設定する。

3大栄養素を比較!たんぱく質 Vs 脂質 Vs 炭水化物

18歳から49歳の食事摂取基準を比較すると以下の表のようになります。

【日本人の食事摂取基準2020版)5つの指標について解説!】

たんぱく質には、推定平均必要量と推奨量が定められていますが、脂質と炭水化物には定められていません。
目標量策定の参考となっているエビデンスレベルは、以下の通りです。
たんぱく質(D1) > 脂質(D3) > 炭水化物(D5)

たんぱく質は、科学的根拠に基づいて策定されていますが、炭水化物は総エネルギー摂取量(100%エネルギー)からたんぱく質と脂質が占めるべき割合を差し引いた値となっています。

<目標量算定に付するエビデンスレベル>
D1:介入研究又はコホート研究のメタ・アナリシス、並びにその他の介入研究又はコホート研究に基づく
→たんぱく質、飽和脂肪酸、食物繊維、ナトリウム(食塩相当量)、カリウム
D2:複数の介入研究又はコホート研究に基づく
→該当なし
D3:日本人の摂取量など分布に関する観察研究(記述疫学研究)に基づく
→脂質
D4:他の国・団体の食事摂取基準又はそれに類似する基準に基づく
→該当なし
D5:その他
→炭水化物

ビタミン・ミネラルの指標一覧

ビタミン・ミネラルの指標は、以下の通りです。

【日本人の食事摂取基準2020版)5つの指標について解説!】
【日本人の食事摂取基準2020版)5つの指標について解説!】

ビタミンもミネラルも科学的根拠をもとに推定平均必要量と推奨量が設定されているもの、科学的根拠が十分でなく目安量としているものとがあります。
また、脂溶性ビタミンやミネラルには、過剰摂取を回避する目的として耐容上限量が設定されているものがほとんどです。

まとめ

「日本人の食事摂取基準2020版」で策定されている栄養素の基準値を意味から詳しく見てみると何を優先とするのがよいのかが分かります。
科学的根拠があり推奨量が定められている栄養素や過不足の心配がない栄養素なども一目瞭然ですね。

参考文献
・日本人の食事摂取基準(2020年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf、(閲覧日:2022年8月26日)

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【改めておさらい】日本人の食事摂取基準とは?
「栄養素辞典②「たんぱく質とは?」」

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      19日前

      日本人の食事摂取基準2020版について改めて松岡 喜美子さんに解説していただくシリーズ。第2回目は5つの指標についてです。

      拍手 2

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WRITER

【日本人の食事摂取基準2020版】5つの指標について解説!

松岡 喜美子

循環器病予防療養指導士 かがわ糖尿病療養指導士 歯科栄養アドバイザー2級 大学卒業後、糖尿病クリニックでの栄養指導に従事しながら健康運動指導士を取得。 2008年よりフリーとしての活動を開始。 特定保健指導の立ち上げからスタッフ育成などにも携わり、これまでの指導件数は1万件以上。 生活習慣病予防セミナーの講師や企業やスポーツクラブでの運動指導なども行っている。 その他、企業HPのコラム執筆なども担当し、健康情報の発信や商品マーケティングなども行っている。 「栄養不良の二重負荷」という問題に対して、世界に貢献できる管理栄養士を目指しています。

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