国内の食品ロスは年間約632万トン
2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で、「2030 年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。」という目標が掲げられました。
日本における売れ残りや、期限を超えた商品、食べ残しなど、本来食べることができたはずの食品(食品ロス)は、年間約632万トン(2013年度、農林水産省調べ)です。この量を半減させるための取り組みがはじまっています。
世界のおよそ9人に1人が栄養不足
世界の栄養不足人口(2015年)は8億人と、依然として高く、9人に1人が栄養不足です。また、世界人口は約73億人(2015年)から、2050年には97億人に増加すると予測されるため、現在起こっている栄養不足を解決すると同時に、将来に備えて食料生産を世界的に増加させる必要があります。しかし、日本の食料自給率は(カロリーベース)では4割以下と先進国の中で最低水準にあり、約6割を海外に依存している状況です。
国内の食品廃棄量は世界全体の食糧援助量の約2倍
そのような状況の中、日本では、世界全体の食糧援助量(2014年)の約2倍にもあたる食品を廃棄しています。そして日本における年間食品ロス量の約半分の302万トンは、家庭から排出され、国民1人1日あたり約136gにもなります。これは、茶わん1杯分のごはんと同じ量を破棄していることになります。
家庭における食品ロスは、野菜や果実、魚介類など過剰な除去によるロスや、食べ残しによるものとされています。京都市が報告した「2007年度京都市家庭ごみ組成調査(生ごみ)」によると、生ごみのうちの約4割が食べ残しであり、その半分が手つかずのまま、さらにその約1/4は賞味期限前であるにもかかわらず廃棄されていました。私たちは、まだまだ食べられるものも捨てていることになります。
食品を捨てない人は、じつは冷蔵庫などの食料保管場所を買い物の前後に整理をし、食品の期限表示を確認しているという調査結果があります。家庭からの食品ロスを減らすには、こまめに食料の確認をし、無駄なものを買わず使い切る心がけが大切です。一人一人の心がけで、家庭からの食品ロスを減らすことができるはずです。
参考
外務省 仮訳 我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000101402.pdf
食品ロスの削減とリサイクルの推進~食べものに、もったいないを、もういちど。~
農林水産省 平成28年10月
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/index-23.pdf
国民生活産業・消費者団体連合会 事務局
食品廃棄削減に向けた消費者意識調査結果報告書
平成26年度食品ロス統計調査報告(世帯調査)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001140357
新・京都市ごみ半減プラン 平成27年3月
http://kyoto-kogomi.net/wp-content/uploads/2015/04/hangenpuran.pdf
京都 生ごみスッキリ資料館
http://sukkiri-kyoto.com/data/gomidata
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