試合前日の食事
試合前日は、運動で使う糖質や水分の補給を意識することが大切です。また、試合への緊張や不安から、食べ物の消化・吸収の働きが低下することがあります。そのため、試合前日の食事は、糖質を多めに摂るようにして、消化・吸収の良い食品をバランス良く取り入れましょう。普段から食べ慣れているものや、好みの食べ物も取り入れて、自分なりの勝負飯で不安を解消するのも良いですね。衛生面を配慮して、お刺身などの生物は避けるようにしましょう。水分補給では、スポーツ飲料やフルーツジュースなどをこまめに飲むようにします。アルコール飲料は脱水症状になるリスクがあるため、控えましょう。
試合当日の食事
試合当日は、試合開始時間に合わせた食事スケジュールにします。最低でも試合開始2時間前までには、最後の食事を済ませましょう。食事の内容は、食事をとる時間やその前にとった食事の内容を考慮しながら、食物繊維やタンパク質、脂質を控え、試合に必要な糖質が補えるようにします。試合中に、胃腸の不快感や空腹感がない食事にすることが理想的です。試合直前に糖質を含むドリンクを多く飲むと急激に血糖値が上昇し、その後インスリンの分泌によって低血糖となることがあります。そのため、試合開始30分前までには、スポーツ飲料など糖質を含むドリンクの摂取はやめ、低血糖によるパフォーマンスの低下を防ぎましょう。試合中の水分補給は15〜20分おきに行うのが理想的です。スタミナを維持するために、スポーツ飲料などで水分に加えて糖質も補給します。試合時間が長くなると、糖質を含む甘いドリンクは、飲みにくい場合もあるので、自分に合ったドリンクの種類や飲み方を見つけましょう。
パフォーマンスを発揮するために
試合でパフォーマンスを発揮するためには、日頃のトレーニングや食事などで、自分なりの体の調整方法を確立し、自信や安心を得る事も重要です。そのために、スポーツ栄養に関するエビデンスやデータを参考にした上で、自分の感覚や体調を大切にして、自分に合った調整方法を見つけましょう。
参考文献
・スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる 寺田 新 著
・理論と実践 スポーツ栄養学 鈴木志保子 著
・エッセンシャルスポーツ栄養学 日本スポーツ栄養学会 監修 高田和子・海老久美子・木村典代 編集
・毎日の食事のカロリーガイド 第3版 香川明夫 監修
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