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栄養価計算のよくある疑問を解決! シリーズ第二弾。今回は吸油率を用いて計算する揚げ物についてです。みなさんは揚げ物のレシピを作るときに、栄養価計算に反映させる油の量はどのように計算していますか? 調理によって食材に吸収される油の量の計算方法を、実際の献立例を見ながら解説します。

揚げ調理の特徴、吸油率とは?

「揚げる」という調理は高温の油を使うことにより、食材が持っている水分と揚げ油の置換がおこる調理法です。高温の油で調理することで、食材の水分と油が瞬時に入れ替わり、サクサクとした食感が生まれるのが特徴です。
揚げ調理をレシピに取り入れる場合には、実際に使用する食材だけでなく、調理によって食材に吸収される油の量を加味して栄養価計算をする必要があります。食材に吸収される油の量は、以下の式で計算します。
「食材に吸収される油の量=材料の総重量×吸油率」
また、一般的に吸油率は「食材に吸収される油の量÷食材の総重量」で計算されます。

衣や食材の違いによる吸油率を把握しよう!

揚げ物の吸油率は、使用する衣や、食材が持つ水分量によって大きく異なります。揚げ物は、食材に衣をつけずに調理する「素揚げ」、片栗粉や小麦粉をまぶして調理する「から揚げ」、小麦粉・卵・水を混ぜて作った天ぷら衣をつけて調理する「天ぷら」、小麦粉・卵・パン粉をつけて調理する「フライ(パン粉揚げ)」、小麦粉・卵・バター・水・塩を混ぜて作ったフリッター衣やクラッカーやアーモンドなどを衣とする「変わり衣揚げ」などがあります。
衣の違いによる吸油率は以下の表の通りです。

先ほどもお話したように、吸油率は衣だけでなく、使用する食材によっても大きな違いがあります。食材ごとの細かな吸油率は、女子栄養大学出版部が発行している「調理のためのベーシックデータ第5版」に掲載されていますので、そちらも参考にしてみてください。
全ての食材の吸油率のデータがあるわけではないため、献立作成や栄養価計算において食材に吸収された油の量を計算する場合は、「調理方法ごとの吸油率の中央値×食材の総重量(調味料等も含む)」で簡易的に計算することもあります。

「天ぷら3点盛り」の食材が吸収する油の量は?

では、えび・かぼちゃ・なすを使った「天ぷら3点盛り」を作った場合の栄養価計算で考慮しなければいけない油の量を、吸油率を参考にして計算してみましょう。天ぷらの吸油率は15〜25%なので、中央値の20%吸油率で計算します。それぞれの食材の衣率は女子栄養大学出版部発行の「調理のためのベーシックデータ第5版」を参考にしています。

「天ぷら3点盛り」
◆エビの天ぷら
のばしエビ1尾    23g
  衣          10g(衣率43%)
  食材に吸収される油  6.6g(全体重量33g×吸油率20%)
◆かぼちゃ天ぷら
  かぼちゃ       15g
  衣          7g(衣率47%)
  食材に吸収される油  4.4g(全体重量22g×吸油率20%)
◆なすの天ぷら
  なす         10g
  衣          7g(衣率70%)
  食材に吸収される油  3.4g(全体重量17g×吸油率20%)

また、レシピに記載する油の量は栄養価計算に反映される油の量ですので、調理をする場合にはそれ以上の油が必要となります。レシピをそのまま給食現場の作業指示書として使用している場合は、調理スタッフへの説明を加えるようにしましょう。

「鶏のから揚げ」の食材が吸収する油の量は?

次に「鶏のから揚げ」で食材が吸収する油の量を計算してみましょう。から揚げの吸油率は6〜8%ですので、中央値の7%吸油率で計算します。衣率は先ほどと同じく、女子栄養大学出版部発行の「調理のためのベーシックデータ第5版」を参考にしました。

「鶏のから揚げ」
  鶏もも肉          100g
  下味:しょうゆ       6.9g(鶏肉の1.0%塩分)
  下味:酒          5.0g(鶏肉の5%重量)
  下味:おろししょうが    1g
  下味:おろしにんにく    1g
  片栗粉           5.7g(全体重量の5%)
  食材に吸収される油の量   8.4g(全体重量119.6g×吸油率7%)

鶏の唐揚げのように下味をつける料理の場合は、食材の重量だけでなく、下味で使用した調味料の重量も考慮して計算する必要があります。全体重量を計算するときには、調味料も忘れずに計算するようにしましょう。

まとめ

揚げ物の栄養価を計算する時には、調理によって食材に吸収された油の量を栄養価計算に反映させる必要があります。調理方法や食材によって吸油率は異なりますので、それぞれの吸油率を参考にして栄養価計算をするようにしましょう。

 

参考文献
・香川明夫:「調理のためのベーシックデータ」第5版、女子栄養大学出版部(2018)

   

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      2日前

      栄養価計算のよくある疑問を解決!シリーズ第二弾です。今回は揚げ物計算の仕方、吸油率の考え方について高安ちえさんに解説いただきます。

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WRITER

栄養価計算のよくある疑問を解説!②

高安 ちえ

東京都内で飲食店を併設した認定栄養ケアステーションを運営しています。食や栄養に携わる栄養士自身が料理をし、提供するということが大切だと思い飲食店の経営を始めました。地域の方々が気軽に集まることができる場所づくりを目指しています。

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