保育園の給食では、アレルギー食や離乳食など複数の食種を同時に調理しなくてはいけない場面が多々あります。
そこで、私が勤務する保育園で実施しているスチコンを使った同時調理について、実際の調理工程やノウハウをご紹介します。
※本コラムでご紹介する画像はイメージになります。
同時調理に向けた準備
複数の食種を同時に調理する場合、まずは献立を見ながら仕上がりをイメージしてみることが大切です。そして、何種類の調理が必要なのかを確認し、食材をいくつ取り分けておくのかを把握します。
次に同時調理に必要な調理器具を揃えていきます。基本的に少量の食材を煮ることができる鍋もしくは耐熱用のボウルがあれば大丈夫です。サイズは少量調理の場合を想定すると、鍋であれば矢床鍋※の15cm、耐熱ボウルであれば11cmのものが最も便利です。鍋の蓋もあると便利ですが、収納を考えるとかさばるため、その都度アルミホイルをかぶせての対応でも大丈夫です。
同時調理の工程は
準備ができたら調理スタート! まずは必要な鍋に、必要な食材を入れていきます。ここでは調味料も含めたすべての材料を入れます。ただし、水分の蒸発を考慮し、食材がきちんとかぶるように水やだし汁を足しておきましょう。
中身を確認したら、蓋をしっかりとします。アルミホイルを使う場合は、真ん中に空気穴を小さく開けておきましょう。庫内の送風でアルミホイルが外れてしまう可能性があるので、しっかりと鍋の底まで包むようにセットすることがコツです。また、中身がわかるようにペンで食種を記載しておくと、取り出したときに間違えないです。
その後、ホテルパンに鍋を並べてスチコンに入れます。スチコンに入れる時は、他のものと混在しないよう上段に入れておきます。
コンビ180℃100%に設定し、15分くらいを目安に加熱するとよいでしょう。ガス台ならば中火で蓋をして「煮る」イメージが一番近いです。お粥などは分量によって時間を延長します。
盛り付けについて
中心温度をしっかり確認したら、盛り付けに移ります。スチコンにかけると、蒸し煮のような形で仕上がります。とてもやわらかくなるので離乳食など必要場合は手でつぶしてペーストにすることも可能です。素材の味を活かした仕上がりになります。
スチコンを使った同時調理の工程はとてもシンプルで、焦げ付いたり、水分がなくなってしまうリスクが減ります。ガス火の前で鍋に張り付く必要がなくなるので、調理のオペレーションがシンプルになり、調理作業の効率アップとなります。また、誰が調理しても同じ仕上がりになるところもポイントです。ぜひ参考になさってください。
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