スチームコンベクションオーブン、略してスチコン。その本当の使い方、皆様はご存知でしょうか?
実はあまり使いこなせていない気がする…そんな方にお届けしたいコラムです。
スチコンを使えばおいしくなると思っていたけれど
スチコンは、もはやフードサービス業界には欠かせない存在となりつつあります。栄養士養成学校でも使い方を習いますし、職場にある、展示会で見たことがある、という方も多く、皆様にも身近な機器ではないでしょうか。
展示会やセミナーで見ると、あっという間に大量の料理が出来上がり、これさえあれば魔法のような調理ができそう! と夢が広がりますよね。
しかし、スチコンさえあれば提供する食事はおいしくなるのでしょうか。導入したものの、「使いこなせている自信がない」、「何が問題なのかもイマイチわからない」というお声をお聞きすることがあります。
では、どうしたら使いこなせるのか、日頃スチコンユーザー様とお会いしている私が、スチコンを使いこなすコツを解説いたします。
コツ その1 調理の基礎を振り返る!
スチコンを使いこなすコツの1つめは、調理の基礎を今一度振り返ることです。
スチコンは加熱機器ですので、加熱操作以外の作業(食材入荷・下処理・調味・冷却・盛り付け・提供)をどうするのか決めることは、スチコンにはできません。
「アクの強い食材はそれを抜く作業をしよう」、「地域の食文化や喫食者を考えたら、こんな味つけや食感にするべきだ」、「どのように盛りつけて喫食者の五感に訴えるか?」 など、各所における調理の工夫は、調理する側で考えていかなくてはなりません。
スチコンを使うとしても調理の基礎は同じです。管理栄養士、栄養士、調理師である皆様の腕の見せどころになります!
コツ その2 スチコン加熱の特徴をつかむ!
スチコンを使いこなすうえでは、スチコン加熱の特徴を理解することが必要です。
従来の鍋釜調理では、調理する側が操作できるのは加熱温度と時間です。そして温度に関しては、「火加減」という経験に頼ったコントロールが必要でした。しかし、スチコンは温度と時間を数値で設定でき、さらにここに「蒸気量」の設定が加わります。
これを踏まえて、スチコン調理と鍋釜調理で大きく変わるポイントを2点説明します。
①スチコンでは、これまで自然に蒸発や乾燥が進んでいた加熱調理に、蒸気コントロールが加わります。
それにより、加熱による食材のパサつきや縮みを防ぐことができ、調理スピードが格段に上がる一方、
味の煮詰まりが起こりにくいため、味つけの濃度を変える必要が出てきます。
②鍋釜調理と異なり、加熱中に対流が起こらず、さらに加熱の途中でかき混ぜる作業を基本的にしません。
そのため、食材に与えられるダメージが少なくなり、時間が経ってもおいしさが持続しやすいと言われていま
す。一方で、攪拌作業を事前に行うなど、スチコンを使う際には何らかの形で調理をサポートする必要があり
ます。
なんだかスチコンって難しそうに思えてきた…、そんな時は
こうしたことへの理解を飛ばしたまま、メーカーの提供レシピ通りに調理を実践してしまうと、うまくいかないことがあります。正確には、たまたまうまくいくことがあっても、失敗したときにそれをどう修正すればよいのか、判断ができないのではないかと思います。
そうなると、スチコンはやっぱり難しい機器なのでは⁉ と捉えてしまうかもしれませんね。
そこで、スチコン購入の際には、スチコンの特徴や留意点をきちんと説明し、購入後も確実にフォローしてくれるメーカーや代理店から購入することを強くお勧めします。
ホシザキグループでは、全国に約100名の管理栄養士やシェフが在籍しており、フードサービスにおける皆様の目的を達成するためのお手伝いをさせていただいております。厨房機器や調理、HACCP構築に関して、困ったときはいつでもホシザキへご相談ください。
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