「冷却」の工程、管理していますか?
食中毒防止という観点で温度管理を考えた場合、加熱をすれば全てクリアというわけではありません。冷却工程が曖昧になってしまうと、かえって食中毒のリスクが高まる可能性もあります。詳しくは、“HACCPを学ぼう”の調理における温度管理のコラム で説明しておりますので、ぜひご覧ください。
料理の加熱が完了して喫食までに時間がかかる場合、食中毒原因菌の発育至適温度帯(約10~60℃)に放置する時間が長ければ長いほど、「菌が増える」可能性が高くなります。冷菜の調理や、一定の期間保管する目的がある場合(クックチルのように前倒し調理や配送をする場合)など、冷却工程が必要な場合は、とにかく可能な限り速やかに冷却することが鉄則です。
実際に通常の加熱では死なない芽胞形成菌による食中毒事故は毎年発生しており、1件当たりの患者数も多いことが特徴となっています。食中毒の発生状況については、こちらのコラム をご覧ください。
冷凍庫や冷蔵庫で熱いものを冷やすのは、絶対にNGです!
冷凍冷蔵庫は、すでに冷えている・凍っている食材を保管するための機器です。熱いものや常温のものを冷却・凍結するパワーはなく、そのような使い方をしていると当然故障しやすくなってしまいます。特に熱いものを庫内に入れてしまうと庫内全体の温度が上がり、もともと保管していた他の食材の温度も、場合によっては食中毒原因菌の発育至適温度帯まで上昇しかねません。大変危険な状態となりますので、絶対にやめていただきたいことです。また、冷却自体にも大変時間がかかってしまい、リスクも増えることが予想されます。
冷却機器、凍結機器にはどんなものがある?
設備の関係上、流水冷却をされている方も多いと思います。しかし、水温は季節による変動が大きく、所要時間が左右されることもあるため、冷却完了時刻の管理が難しいのではないでしょうか。
これらも踏まえ、アツアツの食材や常温の食材を冷却・凍結する専用の機器というものが存在します。どんなものがあるのか、広く使われているものについてご説明します。
まず、ブラストチラー&ショックフリーザーなど、庫内に冷気を循環させて冷却するタイプのものは、比較的広く使われています。その冷却スピードは、冷蔵庫と比較すると歴然です。
一方、タンブルチラーやアルコールブライン凍結機など、液体で冷やす機器もあります。こちらは、食材を袋にパックしてそのまま液中に投入し、冷却・凍結する仕組みとなっています。
また、圧力をコントロールすることで食材の熱を奪う、真空冷却機というものもありますね。
これらにメーカー独自の技術を組み合わせて、食材の品質をアップさせようとする機器もあり、世の中には今さまざまな種類の冷却専用機がでているのです。
どの冷却機器を選んだらよいの?
では、たくさん種類がある中で、どうやって冷却機器を選んだらよいのでしょうか。
HACCPを見据えて衛生管理をしたいという目的は共通かと思いますが、それに加えて以下の条件を考えてみましょう。
① どんな食材を冷却したいのか
② 冷却の目的は何か(冷菜を作りたいのか、クックチルをしたり、流通をさせたいのか)
③ どういう状態で冷却したいのか(包材でパックした状態なのか、バットやホテルパンに入れた状態でよいのか)
④ スピードはどの程度求めるのか
⑤ 冷蔵温度帯に冷やしたいのか、それとも凍結までしたいのか、どちらもやりたいのか(機器によって冷却できる温度帯が異なるので、注意しましょう)
最も身近な冷却機器「ブラストチラー&ショックフリーザー」
ブラストチラー&ショックフリーザーは、冷却機器の中でも一番お手軽で汎用性の高い機器と言えます。
比較的コンパクトなボディで、冷風を循環させて冷やすというシンプルな方式のため、どんな食材でも、バットに入っていてもパックしたものでも、なんでも冷やせます。ただし、やり方によっては仕上がり品質が変わってきます。
最近ではテイクアウトや配食の需要増加により、食材の凍結試験を依頼される方も多くなっています。導入の際には、テストキッチンでぜひ一度お試しください。
冷却機器も種類が多くて選ぶのは難しい! そんな時は
どの冷却機器にしたらよいのか分からないので相談したい、という場合は、信頼できるメーカーや代理店にぜひご相談ください。
ホシザキは全国62か所※にテストキッチン があります。
※2020年9月現在。
冷却機器に関するご相談や、実際に食材を使って体験もしていただくことができます。ホシザキとして製造している冷却機器は「ブラストチラー&ショックフリーザー」ですが、それ以外の機器も含め、皆様の目的に合った最適な機器のご提案、調理オペレーションのコンサルティング、厨房図面の設計など承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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協賛:ホシザキ株式会社
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