こんな食事を提供してみませんか
ジューシーでやわらか、鮮やかなロゼ色のローストビーフ。
見た目は普通食そのもの、やわらかくスプーンでつぶせる介護食。
これらはどのように調理をしているのでしょうか? どれも「真空包装機」が大切な役割を果たしているのです。
真空包装機を使った調理とは?
真空包装とは、包装内の空気をほぼなくした状態で食材をパックすることです。
まず、食材と調味液を袋に入れ、真空包装機にセットして脱気スタート。食材内にあった空気が抜けて、沸騰が起こります。これは、気圧が下がると沸点が下がるため、食材の温度は変化しないまま沸騰が起こっている状態です。目的の真空度になったら袋に封をし、真空包装完了です。これが真空包装機から取り出され、もとの大気圧に戻った瞬間、食材内にあった空気の代わりに調味液が一気に入り込みます。すると、熱の伝わり方が均一でスムーズになり、低い温度(おおよそ55~95℃)で加熱調理をした際、真空にしなかった場合に比べて効率的に調理をすることができます。調理において空気は、熱の伝わりを妨げる性質がありますからね。
真空包装した後に低温で加熱すると、肉や魚などのたんぱく質を含む食材をしっとりとやわらかく、しかも歩留まり良く仕上げることができます。これが真空低温調理です。
さらに加熱をしなくても、単純に真空包装する仕組みを活用して、たった1分で浅漬けやピクルスを作ったり、肉や魚の漬け込みを行うこともできます。
低温調理で衛生面は大丈夫なの?
まずは一般的衛生管理を整え、食中毒のリスクを低減させましょう。電解水を用いてあらかじめ食材を洗浄殺菌しておくと、より安心です。
その上で、食肉であれば厚生労働省の基準通りに中心温度が63℃30分以上、またはこれと同等に達するような加熱をすることで、加熱による衛生面は担保できるでしょう。
加熱が終わったら速やかに提供するか、ブラストチラーなどを用いて急速冷却や急速凍結をして保管し、再加熱をして提供します。
見た目は普通食、でも食感はやわらか! 凍結含浸法
凍結含浸法(とうけつがんしんほう)という言葉をご存知でしょうか?
簡単に説明すると、食材へ酵素をまんべんなく効率的に浸み込ませる技術のことです。その原理は、まず食材を凍結します。食材内の水分が氷結晶になることで、食材内の空間を広げます。この食材と酵素を真空包装すると、広がった空間を利用して酵素が食材へ浸み込み、その後酵素の働きで食材がやわらかくなります。
凍結含侵法を使うと見た目はそのままなのにスプーンですくえるような「凍結含浸やわらか食」が出来上がります。
このように、真空の技術を調理に応用することで、さまざまな可能性が広がっているのです。
真空包装機の選び方のポイント!
注意していただきたいのは、手軽な脱気シーラーでの真空包装は難しいということです。脱気シーラーは、食材の周りにある空気を除いてパックする程度の機能であることがほとんどです。これを真空ととらえて低温調理をしてしまうと、思いのほか時間がかかってしまう恐れがあります。真空調理をしたい場合には、信頼できる真空包装機を選択してください。
ホシザキ製の真空包装機はMAX99.9%まで空気を抜くことができ、その真空度も自由に変えることができます。さらに、保存性を高めるガス充填や凍結含浸モード、ホットパックなど、真空包装機として必要なあらゆる機能がそろっています。
参考資料
・厚生労働省「お肉は良く焼いて食べよう」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049964.html
・クリスターコーポレーション(凍結含浸やわらか食)
https://www.christar.jp/
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協賛:ホシザキ株式会社
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