こんにちは!やまもとよしみです。
「第1回 ご一緒に、日本全国食の旅はいかがですか?」に、コメントをたくさんいただいて、とても嬉しかったです。第2回の日本全国食の旅も楽しんでくださいね。
今回の旅は、九州は薩摩の枕崎
映画「千年の一滴 だし しょうゆ」を観て以来、枕崎へ行って、どうしてもこの目で見てみたいものがありました。それが、「ルビー色の鰹節」です。
日本の食卓に欠かせない鰹節と昆布の一番だしの色は澄んだ「琥珀色」ですが、もうひとつ「ルビー色」が存在するのです。では、「ルビー色」を探す旅に出発です!
枕崎の鰹節
まずは、枕崎の鰹節についてお勉強を。枕崎の鰹節はなんと全国シェアの3~4割を占めます。近隣の指宿の山川産も合わせた鹿児島県の鰹節のシェアは7割で、これは日本一の生産量です。枕崎は住宅地に約60軒もの鰹節屋さんが点在していて、町中が鰹節のいい薫りに包まれています。車から降りた瞬間から鰹節のいい薫りがし、それだけでごはん一膳食べられるのではないかと思われるくらいです。猫には楽園かもしれませんね。
鰹節作りは山を守ることから
鰹節屋さんに到着後、目に留まったのは山積みになった薪でした。鰹節はいぶしの工程で薪を使うので、常にたくさんの薪をストックしているそうです。木の種類にもこだわりがあり、質のいい薪を集めているそうです。
「質のいい薪をこれだけ集めるのは大変だろうな。どうされているのだろう…」この疑問を尋ねてみると、いい薪で鰹節を作るために「山も守っている(山から育てている)」と教えてくださりました。日本に昔からある「自然とともに生きる」の精神でつくっていらっしゃる姿、感動でした。その話を伺って、合点がいきました。枕崎に向かう車窓から見えた山々は、ほったらかしでなく、かまってもらっている山だと感じたていたからです。枕崎の皆さんが人を思い、未来を想いながら仕事をされていることに感動しきりでした。
ルビー色に出会う
鰹節作りの作業のほとんどが手作業で、職人の世界です。職人さんたちの鰹節に対する熱い思いを伺うことができ、感動のあまり鳥肌が立ちました。
鰹節は、漁から始まり、鰹をおろす→釜入れ→骨取り→いぶし→表面削り→カビ付け→天日干し
というたくさんの工程を経て、本枯節ができ上がります。
そして、いよいよ、鰹節のルビー色と対面の時がやってきました!
本枯節をカンカンっと割ると、外見からは想像もできない宝石がそこにありました。素晴らしいルビー色です!
本枯節の水分量は、14%以下と言われています。極限まで水分を除くことで、このルビー色が作られるのだそうです。写真では伝えきれないですが、本当に宝石のようです!
実際に手にしたら、鰹節のキラメキに魅了されること間違いなしです!
ひとつ、ひとつ丁寧に手間ひまかけて作られた鰹節。大切に味わいたいものです。
鹿児島の郷土料理「茶節」
鹿児島県指宿市あたりの郷土料理に「茶節」があります。「茶節」は削りたての鰹節と鹿児島の麦味噌に、これまた鹿児島名産の熱いお茶を注いだものです。
地元では、風邪をひいたときや二日酔いの朝など、体調がすぐれないときに飲まれてきたそうです。初めて茶節を前にした時、「味噌汁とお茶の融合ってどんなのだろ?」とドキドキしながらいただきました。とっても美味しくて体が温たまり、食事にもお茶にもなる愛される郷土料理でした。
鹿児島は人も温かい
今回は幸運にも、鹿児島の方にご縁をつないでいただいて食の旅に出かけることができました。鹿児島はもちつもたれつ、困ったときはお互い様という考え方が根付いている、とっても温かいお土地柄で、愛があふれる場所でした。皆さんも鹿児島の温かさに触れに出かけてみてくださいね。
参考
【千年の一滴公式サイト】http://www.asia-documentary.com/dashi_shoyu/movie.html
【鰹節の工程の参考】http://item.rakuten.co.jp/katuo/c/0000000289/
【茶節】http://sirabee.com/2015/12/06/64013/
https://www.kagoshima-shoku.com/kyoudo/5011
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