2017年9月15日・16日の2日間にわたり、第23回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会が、幕張メッセにて行われました。
今回の大会テーマは「広げよう!つなげよう!摂食嚥下リハビリテーションの輪」として、医療の主役である患者・家族のために摂食嚥下リハビリテーションの輪の広がりとつながりをいかに創出するか探っていくというものでした。
大会長の市村久美子先生もおっしゃっておられましたが、旧来、医療は患者と医師との1対1の関係から始まっていたものが、疾病の構造の変化、医療の高度化・複雑化に伴い、多くの職種が生まれてきました。近年は個々の職種がそれぞれの専門性を発揮しつつ、共有した目標に向かい協働し医療を実践する多職種協働は当然のこととしてとらえられ、摂食嚥下リハビリテーションの分野でも、多くの専門職が協働することにより、さまざまな発展が遂げられてきております。
摂食嚥下リハビリテーションの広がりとつながりは、医療職間のチーム医療はもちろんのこと、他分野との連携、臨床分野と教育分野のユニフィケーションなど、人や場のつながり、新人とベテランといった世代のつながりなど多方面にわたっていくことが本学会の発展につながるとの考えから、プログラムが構成されていました。
初日の15日では、「摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士制度の策定経緯と発展にむけて」のパネルディスカッションを筆頭に、「地域における食支援活動」「食べるを支える―在宅支援の地域連携―」など、管理栄養士が携わることの重要性を取り上げられたシンポジウムやパネルディスカッションが多く見られました。
食べることを支援するには、管理栄養士の力が必要であるということが世の中に浸透してきたと嬉しく思って、先生方の講演を拝聴しておりました。また、発表演題では、大会テーマにも掲げられている「輪の広がりとつながり」から多職種連携における効果についての演題発表が多く見られました。
後編はこちら。
「第23回日本摂食嚥下リハビリ―テーション学会学術大会に参加して②」
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