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令和2年1月24日~26日の3日間、国立京都国際会館にて「第23回日本病態栄養学会学術集会」が開催されました。本大会長は、茨城キリスト教大学 生活科学部 食物健康科学科 石川祐一先生でした。
第23回大会のテーマには、「栄養をつなぐ」とあるように、多職種による栄養管理、介護、地域に至るまでのシームレスな栄養管理などについてのヒントがさまざまなプログラムに組まれていました。今回は、大会で得た情報をノート式で皆さんにもシェアしたいと思います。

◆招待公演:「2025年以降を見据えた医療政策の動向」

講師:厚生労働省大臣官房審議官 迫井正深先生

要旨
・急激な社会環境の変化が起こっており、現代は歴史上も特異的な時代。
・人口減少率は年齢差、地域差が大きい。
・フォーカスは25-40年。健康寿命延伸、生産性の向上がキー。➡働き方改革
・ケアニーズの変化。➡感染症から生活習慣病へ。認知症高齢者の増加、独居夫婦のみ世帯の増加。
・肺炎、心疾患、脳血管疾患、骨折の入院が増加していく予想。急性期疾患は今後伸びない。
・地域包括ケアシステムとは概念➡それぞれの地域医療構想が必要。
・地域包括ケアシステムは、プロフェッショナルのサービスとコミュニティのサービスの掛け合わせ。
・要支援1、2の人はIADL*が落ちている特徴があるため、ここをサポートしてあげれば独居できる。
・各国の医療制度は医療供給、医療財政において公私の組み合わせが異なる。

*IADL(Instrumental Activities of Daily Living.)
排泄・食事・就寝等、日常生活の基本動作ADL(日常生活動作)に関連した、買い物・料理・掃除などの幅広い動作のこと

◆教育講演:「AWGS2019とサルコペニア診療ガイドライン」

講師:熊本リハビリテーション病院リハビリテーション科栄養管理部 吉村芳弘先生

要旨
・サルコペニアは“筋疾患”である。ICD-10に登録されている。
・フレイルは疾患ではなく、状態。
・mindsで2017年版サルコペニア診療ガイドラインが参照可能。
・サルコペニアとは、”全身性かつ、進行性の骨格筋量および筋力、身体機能の低下を特徴とする病的な状態“。
・複数のワーキンググループによる様々な診療基準があるが、骨格筋減少のみならず、筋力低下や身体機能の低下によって、サルコペニアと診断している。
・AGWS2019サルコペニアでは地域/プライマリーケアと専門医療/研究レベルでフローチャートが異なる。プライマリーケアのフローでは体組成が測定できない場合でもpossible sarcopeniaとして分類ができる。
・SARC-FとSAR-Calf
 ↑問診でサルコペニアの疑いを確認できるため、地域で使える。
・地域高齢者におけるサルコペニアの負の影響➡転倒骨折、嚥下障害、認知障害、耐糖能低下、栄養障害、死亡
・大腿骨近位部骨折の高齢女性のType2筋繊維(速筋)は異常に萎縮している。
・急性期入院患者では下腿が細いと嚥下が悪い。
・サルコペニア原因:加齢、低活動、低栄養、病気。
・二次性サルコペニアでは遅筋が落ちやすいので、持久力がなくなる。
・地域高齢者において入院して寝ているだけで1日0.5%減量する。

年によってプログラムの傾向が大きく異なり、多方面から学ぶことができる学術集会です。
機会がございましたら皆様もぜひご参加ください。

いかがでしたでしょうか。Eatreatでは今後も使える学会・セミナー情報をお届けします! 

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2019年度全国栄養士大会に参加して①
2019年度全国栄養士大会に参加して②

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      38日前

      Eatreat編集部です。今回はイートリスタ横原さんによる「日本病態栄養学会」の議事録レポートです!

      拍手 0

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WRITER

第23回日本病態栄養学会に参加して

横原 夢見

病院勤務を経て、現在はフリーランスとして専門学校の非常勤講師、コラム執筆、地域活動などを行っています。

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