注目の栄養素「オメガ3系脂肪酸」について、イートリスタの鈴木菜美さんが解説します。①はこちらから
オメガ3はこんなものに含まれている
「オメガ3系脂肪酸」のうち、αリノレン酸を多く含む油には、エゴマ油、アマニ油、チアシード、サチャインチナッツ、サチャインチオイルなどがあります。DHA、EPAを多く含む油にはサバやイワシなどの青魚、マグロなどがあります。αリノレン酸は体内でEPA、DHAに変換されます。ただし、摂取した総量の10~15%と少量であることと、細胞膜の油が良質な油に置き替わるには時間がかかることから、意識的に毎日摂り続ける必要があります。
いい油でも摂りすぎは注意
脂質は種類に限らず、1gあたり9kcalと少量でも高エネルギーなので、摂りすぎには注意が必要です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年)」によると、18歳以上のオメガ3系脂肪酸の摂取目安量は、約2gです。これはエゴマ油なら小さじ約1杯分、鯖水煮缶なら約半分量に相当します。摂取量を極端に減らしたり、増やしたりすることは健康に悪影響がありますので、適量を摂るようにしましょう。
選び方と使用方法にもご用心!
オメガ3系脂肪酸の場合、光、空気、熱、水分、金属等に触れることによって、酸化しやすいという弱点があります。酸化した油は、血管の動脈硬化を進めるなど体に悪影響を及ぼします。そのため、買う際は直射日光に当たっていないもの、遮光瓶に入っているものを選び、開封後は冷蔵庫で保存し、1~2か月を目安に使い切るようにしましょう。
エゴマ油を100度以下で加熱し酸化の度合いを調べた研究では、短時間の加熱であれば酸化を気にせずに使用できることがわかりました。生のまま使用する方法としては、お味噌汁やスープや炒めものなどにかける他、サラダやうどん、納豆、和え物、スープなどの料理にかけたり、マリネや生春巻き、餃子のたれなどの漬けダレやソースに利用したりすることができます。取り入れやすいものから始めてみるのはいかがでしょうか。
参考文献
・日本糖尿病学会 編・著 糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版
・知識ゼロからの健康オイル 井上浩義 2016
・最強の妊活! オメガさと子 2019
・やせたければ「いい油」オメガ3を摂りなさい 南雲吉則
・厚生労働省ホームベージ 平成30年度国民健康・栄養調査報告
・厚生労働省ホームページ 生活習慣病予防のための健康情報サイト(e-ヘルスネット)
・農林水産省ホームページ 政策情報 「食品の安全確保」
・妊娠うつ病予防に対すω3系脂肪酸の可能性 臼田謙太 郎ら
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/54/9/54_KJ00009468870/_pdf/-char/ja
・日本人の食事摂取基準(2020年)
関連コラム
・栄養素辞典 栄養素について知ろう③「脂質」とは?
・「今日からできる認知症予防のための食生活」第1回開催
・誰もが気軽に食事について学べるようにしたい!鈴木 菜美さんインタビュー