子どものカルシウム摂取推奨量と現状の摂取状況
カルシウムは骨や歯はもちろん、健康の維持に重要な役割を果たす栄養素のひとつです。
日本人の食事摂取基準(2020年版)における、各年齢層での子どもたちに必要な1日のカルシウム摂取推奨量は、以下の通りです。
一方で、平成30年度国民健康・栄養調査によると、実際の1日の平均カルシウム摂取量は、男の子では1~6歳が413mg、7~14歳の子が668mg、女の子では1~6歳が381mg、7~14歳が603mgとなっています。成長期の子どもたちは、最も多くカルシウムを摂取する必要がある大事な時期ですが、このようにカルシウム摂取量はかなり不足しています。
カルシウム不足と骨の健康、骨密度の関係
骨は、吸収(骨からのカルシウムなどの溶出)と形成(骨へのカルシウムなどの沈着) を常に繰り返しています。成長期には、骨形成が骨吸収を上回るため、骨量が多くなります。また、カルシウムは血液中にも存在し、血液中のカルシウムの濃度は一定の範囲内に維持され、生命の維持に必要な多くの生理作用に関与しています。そんな中、慢性的にカルシウムの摂取量が不足すると、カルシウムが骨から取り出される量が多くなることにより、骨量が減少し、骨粗鬆症になる可能性が高くなります。骨の健康のためには、十分な量のカルシウムを摂取することが必要です。
成長期の骨の健康づくりに大切なこと
成長期の骨の健康づくりで大切なことは「バランスの良い食生活」「適度な運動」「良質な睡眠」です。丈夫な骨をつくるには、骨の構成成分であるカルシウムやビタミンC・D、たんぱく質などをしっかり摂ることが大切です。カルシウムの吸収を促すため、できるだけ外に出て日光を浴び、身体を動かすようにしましょう。成長期の骨は柔らかく、激しい運動では骨折の危険性が高まりますので、気を付けましょう。ぐっすり眠ることも骨をつくるためには大切なことです。睡眠中に分泌させる成長ホルモンの働きによって、骨も身体も健やかに成長していきます。
また、カルシウムの吸収を阻害する恐れのあるリン酸を多く含むハムやベーコンなどの加工食品やコーラなどのソフトドリンクの摂り過ぎには十分注意しましょう。
参考文献
1 骨粗鬆症財団〜骨粗しょう症の予防は成長期から
http://www.jpof.or.jp/prevention/calcium/
http://www.jpof.or.jp/pdf/pamphlet_growing.pdf
2 ネスレヘルシーキッズ・プログラム
https://www.ugoku-taberu.com/learning/bone/calcium2.html
3 日本人の食事摂取基準(2020年版)厚生労働省
4 平成30年 「国民健康・栄養調査」厚生労働省
5 カルシウム・イオンcom
http://www.calcium-ion.jp/20191226/1400
http://www.calcium-ion.jp/20080306/938
6 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-007.html
7 よくわかる!骨と「MBP」 講座
https://www.mbp-labo.com/secret/index.html
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