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イスラム教徒は、食べてはいけないハラームな食材があります。
私たちがお迎えするお客様は、多様な文化・習慣を持ち合わせているため、イスラム教の食事制限をはじめとし、予備知識を持っておくようにしています。
連載最終回は、食のハラールを求められたときの対応について私の経験を基にご紹介します。

お客様の要望を伺いましょう

食べてはいけないものがあるお客様をお迎えする時、まずはイスラム教専用の調理場・調理器具・食器・食事提供スペース等は設けていないこと、食材もハラール認証ではない旨をご説明します。
それをご了解いただいた上で、お客様が食べられないものをお伺いします。
そして、お客様が選んだ料理、もしくは宴会・結婚式などの場合は、決まっている料理の中で、申告を受けた食材が使われているかどうかを確認します。
常に提供できるメニューの中で、お客様が召し上がれそうなものがあればそれをご提案し、そうでなければ持ち合わせている食材を組み合わせてできる料理をご提案します。

このような流れで、料理を提供していきます。

食のハラームの個人差

ハラームな食材は、豚肉・アルコールに代表されるように多数知られています。
しかしイスラム教は、長い歴史の中で聖地中東から全世界に広がっており、その国や地域、または個人によって食のハラール・ハラームを守る厳格度に差が出ています。

豚肉
豚肉は不浄・食中毒の恐れ・神聖といった諸説により、食べてはいけないとされます。
実際の例では、肉そのものは食べないが、ポークエキスであれば食べることが可能という場合もあります。

アルコール
ハラール認証食品には、非加熱アルコールだけでなく、料理酒としてのアルコールや、調味料に添加されるアルコールも扱われません。
しかし、アルコールはイスラム教起源後に聖典へ記載されたといった説から、考え方にばらつきがみられます。

“ハラールフード”

“ハラールフード”とは、イスラム教徒が食べる料理について、私たちがコミュニケーション上用いるフレーズです。
お客様の食べられない食材を使用していない料理だからといって「ハラールフード」とは呼べません。その料理がハラールかどうかは、お客様が判断することです。
イスラム教徒が自国以外で食事をする時、その国がイスラム圏とは限らないため、ハラームな料理を食べる可能性を顧みます。
厳格なイスラム教徒であれば、少しでもハラームな食事を食べてしまったと判断した場合、お祈りや宗教洗浄をして身を清めるといわれています。
ですので、ハラール認証を受けていないのであれば、提供する料理は「○○を使用していない料理」となります。※1

※1ハラール認証についても国ごとに認証団体があり、厳密に言うと、どの国の認証であるかによって、ハラール・ハラームの範囲にばらつきが見られます。

誠実な対応を心がけましょう

イスラム教徒が、日本での食事で最も困る理由は「(頭ごなしに)できない」と言われてしまうことだそうです。
けれども訪日する際、滞在期間中の食事を持参することは難しいものです。

私たちは、必ずしもハラール認証を受けている必要はありません。お客様が食べられない食材を使用していない料理をご提案し、召し上がれるかどうかはお客様自身に判断していただきます。
多様性の理解は、食も同じです。文化や言語が違っても、誠実な対応は心で伝わるのではないでしょうか。

 

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      26日前

      ハラールフードについて3回にわたり石井さんに連載していただきました。連載最終回は食のハラールを求められたときの対応について、石井さんの経験を基にご紹介していただいております。

      拍手 0

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WRITER

食のハラールを求められたときの対応について

石井 玲子

アレルギー、ヴィーガン・ベジタリアン、グルテンフリー、ロカボ、宗教etc… 海外からの観光客も含め、食事に様々な要望を持つ方が多くいます。その方々へのメニュー提案を行っています。

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