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- 特定保健指導
- 2017.08.09
「また、次回、最終面談で…」-特定保健指導の〆は笑顔で-
特定保健指導講座 | 第3回「特定保健指導の初回面談で夏バテの質問がきました。」
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こんにちは!管理栄養士のやまもとよしみです。
今回は、Eatreat編集部へ届いた特定保健指導に関するご相談に、お答えしたいと思います。
ご相談内容
「特定保健指導の初回面談で夏バテ防止のための食事についての質問を受けました。こんな時どんなふうにしたらいいでしょうか?」
面談で私たちに与えられた時間は20~30分。その短い中で、質問にきちんと答え、目標も決めるとなると、時間は足りるのかしらと、面談に慣れていないと焦ってしまいますよね。
質問は有り難いもの
実は、質問を用意して面談に臨まれる方は意外といらっしゃいます。体調不良のこと、心電図や薬の相談、時に人生相談のようなご家族に関する話までさまざまな質問があります。手元に情報がないことを質問されると、一瞬ひるんでしまいますが、健康に関する質問があるということは、自身の健康に関心があるということです。質問を切り口にすると面談の流れがスムーズになりやすいです。
ただし、単なる健康相談の場でなく、特定保健指導の場であるので、目的や趣旨から外れてしまわないよう、対象者の方に目的や趣旨をしっかり説明することも大事です。
前置きが長くなりました。夏バテの食事相談について詳しく説明していきますね。
まずは、夏バテのおさらい
暑い日が続くと、食欲がなくなったり、疲れがとれなかったり、眠れなくてイライラしたりして、体調を崩しやすくなりますよね。このように夏に見られる体や精神面の不調をまとめて「夏バテ」と呼んでいます。夏バテは、特定の原因や症状のあるはっきりした病気ではないため、明確な定義もありません。
おもにクーラーのような空調や冷たい食べ物などで体温調節機能に負担がかかることと、熱帯夜の睡眠不足からくるエネルギー不足により、「夏バテ」の症状が出てくると考えられています。
夏バテ予防の5つのポイント
夏バテのキーワードは、栄養補給、疲労回復、体温調整です。これらのキーワードから導き出されるポイントは、以下の5つです。
1.冷たい食べ物や冷房でカラダを冷やさない
特に胃腸を冷やすと食欲低下、下痢などにつながっていきます。温かい飲み物、料理を意識して摂りましょう。
2.食卓に一汁一菜を揃える
「食事のバランスを整えるのが基本中の基本」であるのに、暑さで食欲が落ちたり、台所に立って料理をしたくなくなったりします。お惣菜や作り置きを活用して、食事の基本型「主食」+「主菜」+「副菜」を食卓に揃えていただきたいです。
3.酸っぱいもので食欲増進&疲労回復
酸味は食欲増進の助けになってくれます。酸味の素のクエン酸は、炭水化物(糖質)をエネルギーに変える時に必要な栄養素です。エネルギー不足を解消することで疲労回復も期待できます。
4.しっかりと睡眠をとる
睡眠をしっかりとって、その日の疲れはその日のうちに解消するのが理想です。
5.お風呂で温まる
暑い日はシャワーで済ませてしまいがちですが、湯船に浸かり、冷房で冷えてしまったカラダを温め、一日の疲れを癒すことが大切です。
夏バテの相談に来られた方に対して、定期的な食サポートをさせていただいた事があります。その方は夏バテにならなかっただけでなく、体調管理がしやすくなって仕事のパフォーマンスも上がったそうです。夏バテ対策は食事の基礎をしっかりしておくことが基本になるので、そのあたりから話を特定保健指導につなげていくと、目標を立てやすくなりますよ。
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