SDGs(エスディージーズ)とは何か
SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に揚げられた、2016年~2030年までの持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のことです。持続可能な世界を実現するための17の目標と、169のターゲットで構成されています。
(引用:国連広報センターHP)
SDGsには、貧困や飢餓の問題から、働きがいや経済成長、気候変動に至るまで、世界が抱える課題が包括的に挙げられています。これらは先進国と発展途上国が一丸となって達成すべき目標です。
SDGsと食の関連性
飢餓をゼロに
現在日本では人口が減少していますが、発展途上国の人口は増加しています。そして2050年までに、世界の人口は100億人に達すると予測されています。人口が増加すると、必要な食べ物の量も増えていくため、将来、世界的な食料不足が問題となるかもしれません。そのため、農業の生産能力の向上や持続可能なフードシステム※を強化していくことが必要です。飢餓を終わらせ、誰もが健康的な生活を送り、良好な栄養状態となることをSDGsは目指していきます。
※食料の生産から流通・消費までの一連の流れや食品産業など、産業界の相互のかかわり
エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
現在のフードシステムは化石燃料(石炭、石油、天然ガス)に大きく依存しています。フードシステムにおいて、エネルギーは食料安全保障の確立や栄養状態の確保に重要な役割を担っています。一方で、フードシステムは利用可能なエネルギーの3割を消費し、温室効果ガスの2割以上を排出しています。環境に負担のかからない再生可能エネルギーを使い、すべての人々へ十分な食料を提供する取り組みを進めていきます。
目標達成に向けてひとりひとりが身近にできること
日本では食料を大量に輸入して、大量に捨てています。私たちは普段何気なく食材を購入していますが、それらを無駄なくすべてを使い切られていますか? 食材を買いすぎて腐らせてしまうと廃棄することになるので、食材は食べきれる量を買い、無駄なく使い切ることが大切です。家庭だけでなく外食においても、自分で食べきれる量を注文し、食べ残さないようにすることで、食料の廃棄を減らせます。廃棄を減らすことは、食料の輸入量を減らすことにつながり、輸入に使われるエネルギーも抑えられることになります。
そして、食料自給率を上げることも非常に大切です。その土地で採れたものを食べれば、食料の移動距離が短く済むため、エネルギーの無駄を省けるからです。日本は食の欧米化にともない、米の摂取量が減り、パンや麺など小麦を使った主食の摂取量が増えています。しかし、小麦はほとんどが輸入品のため、輸送時に多くのエネルギーを消費し、環境への負担を大きくします。環境のために、できるだけ主食はお米を選ぶようにしましょう。米粉を使ったパンや麺などを取り入れるのもいいですね。
(引用:農林水産省「米をめぐる関係資料」 平成29年11月)
日本でのSDGsの認知度は27%とまだ低いですが、コラムを読んでくださった皆様が心がけや行動を意識していくことで、目標の達成へとつながっていきます。
参考文献
・食の視点から考えるSDGs
https://worldfoodday-japan.net/sdgs/
・朝日新聞「SDGs」
https://miraimedia.asahi.com/
・農林水産省「食品ロス・食品リサイクル」
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/
・農林水産省「食の未来を支える食料自給率」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1205/spe1_05.html
・農林水産省「米をめぐる関係資料」
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokuryo/171130/attach/pdf/index-15.pdf
・第一生命保険「よくわかる日本の人口」
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/monthly/pdf/0604_a.pdf
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