私は管理栄養士として勤務して8年目、現在の勤務先である認定こども園に勤めて6年目になります。前職の委託給食会社では全く違う分野に関わっており、子どもの栄養や食育の知識は学校卒業時のままでの転職でした。転職当初は知識・経験共に不足していてわからないことが多くあったため、保育施設に勤める先輩に連絡を取ったり、ネットで情報を検索したり、学生時代の教科書や関係する指針を見直したりと試行錯誤の毎日でした。
保育園栄養士はひとり職場であるケースも多く、このような悩みを抱える方も少なくないのではないでしょうか。
一日の流れ
8:00 勤務開始。厨房での調理業務(離乳食とアレルギー食を主に担当)。
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11:30 昼食提供完了。時間があれば保育室へ喫食状況を見に行く。
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12:00 休憩(1時間)
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13:00 おやつ作り開始
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14:30 おやつ提供完了。明日の献立確認と片付け。
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15:00 事務作業開始。
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17:00 勤務終了。
基本的には午前中~15時までは給食室での厨房業務に従事し、残りの時間で栄養事務をこなしています。月に数回、厨房業務から外れて食育活動や事務作業に専念する日を設けることでまとまった時間を確保しています。
大切にしていること① 保育との連携
保育施設は園によって保育方針が幅広く、職員の食育へ対する意識や理解もさまざまです。
私の勤める法人内にもう一つ認定こども園があります。私の勤める園が保育所型の認定こども園であるのに対し、姉妹園の方は幼稚園から幼稚園型認定こども園に移行した施設であるため、一日の流れや給食の提供方式も全く異なります。また、食育活動については担任のクラス運営の方針や縦割り保育(異年齢児の混合クラス)か横割り保育(同年齢のクラス)かによっても内容が変わってきます。
施設の保育方針やクラスごとの特色をよく理解したうえで、私自身が栄養士としてやりたい活動も理解してもらえるよう努力しています。よりよい保育を目指すためには多職種連携が不可欠です。私自身も保育士研修に参加させてもらったり、保育士研修の一環として食事や栄養に関する内容を扱わせてもらったりすることも、お互いの理解を深めることにつながっているように感じます。
大切にしていること② 家庭との連携
子どもの食育は本人に対してだけでなく、保護者へ対するアプローチもとても大切です。「偏食がひどい」「噛まない」「遊び食べ」など、保護者が持つ子どもの食の悩みは多岐にわたります。保護者が気にしすぎている場合もあれば、こちらが問題を感じていても保護者は問題だと感じていないという逆のケースもあります。食事内容だけでなく、食事の環境や生活リズムの問題が食事の問題として表れている場合もあります。担任を通してや保護者との何気ない会話を通して、家庭と協力して子どもの育ちの助けになるよう心がけています。
ひとり職場になることの多い保育現場だからこそ、他者との関わりやコミュニケーションがとても大切だと感じます。
保育施設で働いていると、子どもたちが日に日に大きくなる姿を身近で見ることができます。私が入職して間もない頃に0歳児クラスでミルクを飲んでいた子たちが、今年の春卒園しました。日々子どもたちの成長に関われることを保育園栄養士としてとても幸せに感じながら、毎日安全でおいしい給食づくりに努めています。
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