COLUMN
管理栄養士として給食委託会社で勤務した後、上海中医薬大学で中医学を学び、日本で薬膳に関するセミナーや講演を行っている大倉あやこさん。薬膳に興味をもつようになったきっかけから、現在の活動を行なうにいたった経緯をおうかがいしました。

虚弱体質を治すために目指した管理栄養士

管理栄養士になろうと思ったのは、子どものころに体が弱かったからです。学校の集会で、貧血で倒れちゃうような子がクラスに1人くらいいますよね。 私はそんな女の子だったんです。食生活を改善することで自分自身の虚弱体質を治したいという気持ちから管理栄養士を目指すようになりました。

ヘルニアを患い、会社を退職

大学を卒業してからは、老人ホームや病院などの給食の委託を受けて運営する給食委託会社で、管理栄養士として働いていました。私も現場の厨房に立つこともありましたが、基本的には本部で献立を作成する業務を行っていました。自分が好きな料理を献立に盛り込めるので、仕事はとても楽しかったですね。管理栄養士の職場というと人間関係で悩んでしまう人が多いようですが、私の場合には、年配の管理栄養士さんからは親切に教えてもらえましたし、現場の人とも仲がよく、悩むことは少なかったですね。

給食委託会社での仕事は精神的につらいことはありませんでしたが、身体的には大変でした。もともと、体が弱かったということもありますが、勤務時間は長く、体調を崩してしまうこともよくありました。それでも、このままがんばって行けば、なんとかなるという不確かな希望を頼りに働き続けていました。しかし、働きはじめて2年目のころにヘルニアを患ってしまい、過酷な労働環境にはたえられないということで、会社を辞めました。

中医学を学ぶきっかけは自分の体の治療のため

お医者さんから言われたのは、手術をしてもヘルニアが完治する可能性は50%だということでした。手術をしても確実に治るかどうかわからないのであれば、薬膳や鍼灸、整体など、できることはすべて試してみたい、そう思いました。中医学を学ぶきっかけは、自分自身の体をどうにかして治したいという気持ちからでした。ただ、その当時の日本では、中医学は世の中に認知されておらず、お金がかかるイメージがありました。また、国内ではどこで学ぶことができるのかもわかりません。だったら、中医学の本場である中国に行って、自分の体を治療したい。治療を行いながら、一緒に中医学を学べればという思いで、中国に留学することにしたんです。

続きはこちら >>管理栄養士の世界に薬膳の知識を広めたい② - 大倉あやこ

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