中医学の舌診とは?
中医学には、舌や舌苔(ぜったい)の状態や色、形などを観察して体質や不調をチェックする「舌診(ぜっしん)」という独特な診断方法があります。
舌診断でわかることは、「体質」、「體(からだ)の熱・冷え」、「血液や水分のめぐりの良し悪し」、「消化の状態」、「睡眠」、「過不足」、「病気の深浅(しんせん)」「体力の有無」などのたくさんの情報があります。
舌の状態から日々の健康管理
「正常な舌は、薄いきれいなピンク色で、苔も薄い」という基準がありますが、まずはご自身の舌をチェックし、普段の色や形を把握しておくことをおすすめします。舌診を正確にできるようになるには、しっかりとトレーニングする必要がありますが、よく見られる例をご紹介しますので、日々の健康管理の参考にしてください。
【舌の本体】
◇舌が赤い:體が熱の状態。
◇舌が白っぽい:体力が弱っている。血液不足、または血液のめぐりが悪い。
◇紫色が混じっている:血液ドロドロのサイン。血行障害、高脂血症、月経困難など。
◇舌の裏の静脈がどす黒く膨らんでいる:血行障害。血液の汚れに注意。
◇舌の両端に歯型がある:水分過剰によるむくみ。胃腸の虚弱。
◇舌に亀裂がある:水分不足。虚弱体質や心身過労による消耗。
【舌苔】
◇ぶ厚い苔:胃腸障害。病気が進行している。
◇苔がほぼ無い、まだら:虚弱。アレルギー体質。体液が不足している。
◇苔が白い:體の冷え。體の機能低下。
◇苔が黄色い:體に熱がある。食べ過ぎによる熱の胃炎。
今回ご紹介したのは、ほんの一部ですが、舌を観察する習慣をつけておくことで、自分の体調の変化を知ることができます。舌診断を行う際には、舌の苔の量や状態、色を見るので、診断の際は舌苔は磨かずに通常の状態で診断できるようにしましょう。また、飲食物による色や温度による影響、照明などに配慮してください。
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