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管理栄養士に聞く!お酒と上手に付き合う方法①
管理栄養士に聞く!お酒と上手に付き合う方法②
今回も、管理栄養士の視点からお酒と上手に付き合う方法ポイントについてお伝えさせていただきます。
野菜料理を上手に取り入れる
前回のコラムでも何かと野菜を摂ることをお勧めしましたが、これは野菜に含まれる食物繊維が腸の中で糖分や脂質の吸収を抑えてくれるためです。野菜は肉や魚の2倍を目安に摂りましょう。野菜系の総菜の小鉢1つには、一般的に70gぐらいの野菜が使われています。小鉢5つで1日分の野菜が摂れる計算になるので、積極的にいただきましょう。
以下は、おつまみに取り入れたい、野菜をはじめとした食物繊維が豊富な食材です。
・青菜:血管を守る抗酸化ビタミンやカルシウム・鉄などミネラルの宝庫。ポリフェノールも豊富。
・にんじん・トマト・ピーマン・パプリカ・ブロッコリー:抗酸化ビタミンが豊富。
・キャベツ:胃壁を守るビタミンUがたっぷり。
・ごぼう・れんこん:食物繊維の宝庫。あくのタンニンも抗酸化物。
・ネバネバ食材(納豆・山芋・オクラなど):胃の粘膜を保護する成分が多い。
・こんにゃく・きのこ:低エネルギー。腸内環境改善に貢献。
・海藻類:水溶性食物繊維の宝庫。
また、以下のような香味野菜などの薬味も、おつまみに取り入れると効果的です。
・カイワレや大根:消化酵素が働き、揚げ物を食べても、胃がもたれにくくなる。
・こしょう:胃を温め、消化をうながす作用がある。
・みょうが・しょうが:胃の働きを助ける。
盲点になりがちな調味料
知らず知らずに摂ってしまいがちなのが、ドレッシングなどに含まれる調味料からの脂質、糖分、塩分です。サラダのドレッシングは可能であれば全体にまぶすのではなく、ドレッシングを小皿に入れてその都度つけながら食べるといいでしょう。冷やしトマトも同様です。塩やマヨネーズなどは全部使い切ってしまうのではなく、少し残るくらいの分量を心がけましょう。最初からマヨネーズで和えてあるポテトサラダとマカロニサラダも食べ過ぎに気を付けましょう。
また、冷や奴は、しょう油をかけずにキムチのような味の濃いものと一緒に食べてもいいですね。箸休めにいただく漬物は塩分に注意しましょう。
休肝日を設けることも忘れずに
体重のコントロールをしている方の1日の酒量の目安は160kcal以内と言われており、これはビールなら350ml、日本酒なら1合弱、ワインならグラス1杯弱までの量です。また、どんな人でも休肝日を週に2日は持つことが望ましいとされています。お酒を飲まない日を作ることが、全体の飲酒量を減らすことにつながります。
お酒には、楽しいお酒もあれば、悲しく、辛いお酒もあります。どんな時でも節制を忘れないよう、楽しんで飲むお酒であって欲しいと願うばかりです。
参考文献
読売新聞 2016.12.4
栄養と料理 2014年10月号 女子栄養大学出版部
飲める献立 藤井 恵 新星出版社 2015
飲んでも食べても太らないおつまみおかず 竹内 富貴子 主婦の友社 2011
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