「災害に備える、子育て世代に必要な準備をしていきましょう」と言われたら何をイメージしますか?
「台所から防災減災」に取り組む防災士の資格を持つ管理栄養士が、地域子育て支援センターでの防災講座の内容をご紹介します。
子育て家族の防災講座
講座は、0歳から入園までのお子さんをおもちの親子が対象です。非常食をはじめ、トイレや避難生活に必要な品を目で見て、手に取り、我が家に必要な備蓄品を選んでもらいます。すると、「想像以上に重たい」、「これを持って子どもを連れて逃げられない」という声が聞こえて来ました。もし夜間に発災したら、雨が降っていたらと問いかけると、被災しても何とかなるかな、備蓄をしなければと思いつつ用意していないというママも真剣な眼差しで、平時に準備することが大切と気づいてくれます。
ローリングストック・回転備蓄
発災後24時間生き抜くためには、開封すればすぐに食べることができる缶詰がおすすめです。しかし、乳幼児には乾パンや濃い味つけの缶詰は不向きなので、月齢に合ったベビーフードや缶入りミルク、粉ミルクの回転備蓄が必須となります。
粉ミルクやフリーズドライ食品をつくるには水も必要です。粉ミルクを硬度の高い水で調乳するとミネラルバランスが崩れ、赤ちゃんの腎臓に負担がかかる可能性があります。ストレスや疲労の蓄積、食生活の乱れも重なり、避難生活をより困難にします。そのため、食品のラベルを見て「硬水」を避けるようにお話しします。年齢に合わせた食品を選ぶことがリスク回避につながります。
食品表示はアレルギーっ子を守る切り札
現在、「アレルギーっ子用の備蓄食料があります」という市町村や自治会は非常に少なく、今後の課題となっています。
食器やスプーンもアレルゲンとなる物質が付着しないように、「密閉できる袋や容器で保管し、食器を洗う水やスポンジなども専用に」と講座では説明しています。非常時用アレルギービブス(日本エイテックス株式会社)ゼッケンを展示し、アレルギーっ子とご家族への配慮協力をお願いしています。
台所から始める防災減災、はじめの一歩
私が新米ママの頃、カバンに非常食としてベビーせんべい、麩を入れていました。せんべいや麩を手で砕き、ぬるま湯を少量加えると簡単なお粥になります。
災害はいつくるかわりませんが、いざという時のために、皆さんも台所から防災減災を始めてみませんか。
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