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昨今の日本では、台風や大雨による洪水や浸水で大きな被害が出ています。
2018年に発生した西日本豪雨は、いまだに印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

被災時に頼みの綱となるところは避難所になりますが、今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、避難所での生活も今までと異なる状況になっています。
そこで今回は、いざという時のために、避難時に必要な衛生用品について解説していきます。

自分の身は自分で守ろう

日本で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が見つかった1月。感染予防のためのマスクや消毒用アルコールをはじめとする衛生用品の需要が高まった影響で、薬局やドラッグストア、医療機関などいたるところで、これらの衛生用品が在庫不足となりました。
このような時に水害や地震で避難が必要となった場合、避難した人達全員に衛生用品を配布することは、困難だと考えられます。
そのため、日ごろから個々人で衛生用品を備蓄しておくことが求められます。

(出典:「インテージ 知る Gallery」2020年2月7日公開記事

平成25年の調査では、避難所での滞在日数は2~3日が最も多く、その次に4日~2週間となっています。「備えあれば憂いなし」ですので、可能であれば2週間ほどの衛生用品を用意しておきましょう。
例えば、使い捨てマスクであれば14枚程度です。箱にまとまって入っているものよりも、個包装されているものの方が衛生的で良いでしょう。
また、避難所では水が自由に使えないこともありますので、手洗いが出来ない場合を想定し、手指消毒用アルコールやウエットシートが重宝すると思います。

衛生用品の使用期限は

では、備えておいた衛生用品はいつまで使用できるのでしょうか?
例えば、一般的に販売されているマスクですが、日本衛生材料工業連合会によると、加工がしっかりとされているものに関して使用期限はないとされています。
しかし、直射日光が当たるところに保管したり、個包装されていないマスクを湿度の高いところに保管した場合には劣化する可能性も考えられるため、このようなところでの保管は避けるようにしましょう。

一般的に販売されている手指消毒用アルコールの使用期限は、約3年と言われています。
ただし、開封後はアルコールの揮発による品質の劣化が考えられますので、未開封の物を保管するようにしましょう。
見落としがちですが、一般的に有効な手指消毒用アルコールの濃度は60%以上※1であり、これは【火気厳禁】の商品になるため※2、高温になる場所や、直射日光の当たる場所での保管は、安全上避けてください。
※1アルコール濃度に関わらず、ウイルスに有効な商品もあります。
※2火気厳禁でなくとも有効な商品もあります。詳しくは参考サイト(消費者庁 消毒・除菌商品の購入や使用上の注意点に関するQ&A)をご確認ください。

引用元:東京消防庁 報道発表資料 (令和2年4月17日)

アルコールウエットシートは遮光性の高い包材に包まれていますが、開封後はしっかり密閉しないとアルコールが揮発してしまいます。
一部メーカーの商品は開封前3年が使用期限の目安となっていますが、開封後は少なからず揮発が始まっているため、なるべく早く使い切るようにしましょう。
店頭では、主に50枚入りの大容量タイプと10枚程度の小容量タイプが販売されていますが、手指を拭く用途であれば、使い切りやすい小容量の方が良いかと思います。

災害に備えて

「まさか自分が被災するなんて…」「まさか避難所で生活するなんて…」
普段生活している中では想定できないことが起こるのが自然災害です。

地震はいつ発生するかわかりませんが、大雨や台風は気象予報からある程度予想することができます
それにもかかわらず、平成25年から平成30年までに異常気象による水害を受けた家屋は平均約35000棟です。
家屋被害が少なかった年でも約17000棟が被害を受けており、ここに住む世帯の方々は避難を強いられました。

政府統計の総合窓口(e-Stat)水害統計調査(国土交通省)を加工して作成

最近のゲリラ豪雨や台風の猛烈さをみると、いつ自分の番になってもおかしくないと感じます。
被害が発生しそうになってから準備をしても、駆け込み需要で店頭の在庫は不足している可能性があります。また、避難の遅れにつながる恐れもあるため、何もない時にこそ、衛生用品も災害時のために備えるようにしましょう。

引用・参考サイト
・平成25年 避難に関する総合的対策の推進に関する実態調査結果報告書
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/houkokusho/hinan_taisaku/pdf/hinan_taisaku_houkokusyo.pdf
・ITMediaビジネスオンライン 不織布マスク「寿命3年」は本当?専門家の意見
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2006/26/news119.html
・消費者庁 消毒・除菌商品の購入や使用上の注意点に関するQ&A(令和2年7月14日)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_research_cms207_200714_01.pdf
・日本製紙クレシア株式会社
https://www.crecia.co.jp/products/question/hygiene/
・DCMホールディングス 2018年自然災害被災者に聞いた、防災についてのアンケート
https://www.dcm-hldgs.co.jp/feature/20190306105611.html
・「インテージ 知る Gallery」2020年2月7日公開記事
https://www.intage.co.jp/gallery/shingatahaien/
・東京消防庁 報道発表資料 消毒用アルコールの取扱いにご注意ください!!
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-kouhouka/pdf/020417-2.pdf
・政府統計の総合窓口(e-Stat)水害統計調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00600590&tstat=000001138606&result_page=1

 

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      1256日前

      Eatreat編集部です。避難時に必要な衛生用品について、その必要量や使用期限をイートリスタの沢目 晃誠さんが解説します。

      拍手 0

WRITER

避難時に必要な衛生用品とは? その必要量や使用期限を解説します

沢目 晃誠

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