ローソン南区芝町店のイートインスペースの一角「名古屋市高齢者いきいき相談室(居宅介護支援事業所)ケアマネハウスライフケア芝町」で開催している講座レポートの第5回です。
これまでのセミナーの詳細についてはこちらのレポートをご参照ください。
今回のテーマは「適切な塩分摂取」と「フレイル予防」
第5回目のテーマは「認知症予防のための食生活+塩分濃度の測定会」と題して、適切な塩分摂取量を摂ることについて説明させていただきました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、家で過ごす時間が増えたことから「フレイル予防」についてもお話しさせていただきました。
今回は、60代の男性と30代の男性が参加されていました。60代の方は普段から濃い味が好みで、家族から「塩や醤油をかけすぎている」と指摘されることが多いとのことでした。30代の方は、現在奥様が妊娠7カ月ということもあり、「料理をする機会が増えている。妊娠後期に入る時期だから気をつけてあげないといけないと思った。」と参加の理由をお話されていました。
塩分チェックシートで食生活を振り返る
セミナーでは高血圧になる要因や、食塩の摂取目標量についての説明をしました。さらに、塩分摂取量が多くなりやすい食生活をしているかを確認できる、簡単な塩分チェックシートと、視覚的に理解しやすくするために、食品に含まれる食塩相当量の目安を記載したプリントを配布しました。塩分チェックシートの項目は10項目あり、各自で当てはまる項目にレ点を記入していただきました。普段の食生活でどのようなものから塩分を摂っているかを振り返っていただき、家に持ち帰ってからも見直せるようにしました。
参加者の方に共通してみられたことは、市販のお惣菜やインスタント食品をよく利用する、練り製品や加工品が好き、梅干しや佃煮、漬け物などが好きで常備している、という項目でした。ご自身の食生活を振り返るきっかけになり、「無意識に塩分をたくさん摂っていた気がする」「レトルト食品や麺類には、こんなに塩が入っているんだね! 」という感想をいただきました。
美味しく減塩を続けるコツ
濃度の違う味噌汁を飲み比べて、濃度の違いを判断できるかという味覚の確認や具体的な減塩のコツ、適切な塩分量で作るお味噌汁のレシピをご紹介しました。味覚は1~2週間で慣れてくると言われていますが、ただ単に塩を減らすだけの食事は、味気なく、満足感が低くなりやすいです。また、極端に塩を減らすと、食欲も落ちてしまい、体力の低下にもつながります。美味しく減塩を続けるために、だしや香味野菜、香辛料を利用すること、だしや塩の選び方、食べ方の工夫などを紹介しました。その結果、「商品に書かれている情報を、きちんと見てみようと思いました。」「今回の話を聞いて、料理のレパートリーを増やすことができそうだと感じました。実践してみます。」という声を聞くことができました。
フレイル予防については、食事や運動に加えて社会とのつながりが大切なこと、家で過ごす時間を前向きな時間にすること、筋肉を作るタンパク質と筋肉を作る助けとなるビタミンDのお話をして、自宅でできるトレーニングをご紹介しました。
最後に
最新の日本人の食事摂取基準では、食塩相当量の成人の目標は、男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満へと引き下げられました。また、高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための食塩相当量は、6.0g/日未満と設定されました。減塩は特別な調味料を利用しなくてもできます。料理の味つけや食べ方、食材を見直すなど、日常生活でもできることが多いので、まずはできることから実行していただけたら幸いです。
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