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- 栄養の知識・食育
- 2017.12.22
「ルッコラ」の栄養素や歴史【管理栄養士監修】12月の旬の野菜の栄養学
今回の旬の野菜は12月に旬の「ルッコラ」です。
アブラナ科で、和名を「キバナスズシロ」。英語名ではロケットとも言われ、イタリアではルコラと言います。
また、エルカ、ガルギールなど、地域によっていろいろな名称があります。
地中海沿岸から西アジアにかけてが原産で、クレオパトラが若さと美貌を保つために好んで食べたというエピソードがあります。当時エジプトやローマでは、ルッコラの種子から油を採るために多く栽培されたという記録があります。1年草で、小松菜と同じように葉を若いうちに摘み取ります。全体にハリがあり、葉がぐったりとしていない、緑色の濃いものを選びましょう。
ルッコラは緑黄色野菜
カロテンも小松菜より多く、ビタミンC、Eも多いので、ビタミンACE(エース)と言われます。カルシウムはほうれん草の3.5倍もあります。その他にも鉄分、葉酸、カリウム、ビタミンKも豊富な、れっきとした緑黄色野菜なのです。辛み成分はイソチオシアネートと呼ばれるイオウ化合物で、これはキャベツやブロッコリーなどアブラナ科の植物に含まれる共通成分です。発がんを抑制する効果があるとされ、注目されています。
活性酸素の害から守るため、ヒトの体内では活性酸素を害の少ない物質に変える働きを持つ酵素や金属を作ります。総称してスカベンジャーと呼んでいます。こうした酵素の作用は、細胞が酸化されるのを防ぐので、抗酸化作用と呼ばれています。食品に含まれる栄養素の中にも、スカベンジャー同様の機能を持つ代表が、カロテン、ビタミンC.Eなどになります。数種類一緒に摂ることができるルッコラは優秀選手なのです。種子からは油を搾って使用します。
独特の辛味を活かした調理方法
ほのかな辛味と、噛めば噛むほど胡麻に似た風味があり、イタリア料理が広まるとともに、人気が出た野菜です。いつもの料理を大人の味に変える野菜とも言えます。寒い時期には苦みもマイルドになります。
サラダやピザのトッピングに使われることが多いです。ほかに、サンドイッチやカルパッチョにも向いています。お浸しでもOKです。すき焼きなど鍋物にもいいですね。ナッツ・にんにく・オリーブオイル・塩をベースにバジルの代わりにソースやペーストにも活用できます。苦みの風味は、にんにくとの相性は抜群です。
家庭で栽培も!
家庭ではコンテナ栽培も手軽にできるので、ベランダやキッチンの近くで育てながら、苗が小さいうちに利用したり、一株ずつ大きく育てたり楽しみのもいいでしょう。小さめの葉は柔らかく、辛味もマイルドです。大きくなるほど辛みや苦みが強くなります。十字型の花も食べることができます。サラダや料理の飾りに利用してもいいですね。栽培での注意点として、乾燥が続くなどストレスがかかる状態が長く続くと、植物の防衛反応が働いて、苦みの成分を作りだします。適切な環境で。
もう一つ、ワイルドルッコラと呼ばれる、セルバチコがあります。植物学的にはルッコラとは別種になっています。ルッコラは1年草ですが、セルバチコは多年草で花の形も異なります。花も食べられます。
ルッコラよりもやや辛みが強く、葉の切れ込みが深いのが特徴です。味が強いのでトッピングなど味のアクセントにするのがいいでしょう。
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参考文献
・『地域食材大百科』農山漁村文化協会 2010
・『野菜の仕入れ事典』瀬戸達和 旭屋出版 2008
・『野菜の効用事典』山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『七訂 食品成分表 2016』女子栄養大学出版部 2016
・『はじめてのやさしい野菜づくり60種』東京都立農芸高等学校 新星出版 2016
・『趣味の園芸 やさいの時間 2017年1月号』 NHK出版 2016
・『新・野菜の便利帳 健康編』 名取貴光 高橋書店 2016
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みんなのコメント( 2 )
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- ID: 337
- 2526日前
ルッコラ、お肉と食べるとさっぱりしていいですよね。なかなか家では食べないので、栽培試してみたいです!
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- ID: 313
- 2526日前
この旬の野菜シリーズ好きです。楽しみにしています。
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WRITER
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小山 幸子
現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等。 『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。 メカオンチのあがり症。 高校卒業後、会社員として8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。 教員より年上の生徒だった経験を持つ異色の栄養士。 毎日書道会 会友 (雅号:小山 桃花)
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