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毎年行われる国民健康栄養調査

毎年、健康増進法に基づいて国民の身体の状況、栄養摂取量および生活習慣の状況を明らかにすることで、健康増進の推進を図るための基礎資料を得るために国民健康・栄養調査が実施されています。私は数年前から調査結果の集計、解析、公表を行っている国立健康栄養研究所で調査結果の確認作業等に関わる様になりました。

2016年は3年に一度の大規模な調査が行われ、一年で全国475地区の約23,750世帯、約61,000人が調査対象とされました。調査のための準備が夏ごろからはじまり、調査の実施が11月、調査票が集まる12月末から年度末までは国立栄養研究所での仕事が忙しくなります。

どんな項目が調査されているのか

調査結果の概要は厚生労働省のホームページで見ることができます。調査結果から一部を抜粋してご紹介します。

「社会経済状況と生活習慣等の状況」
<食品群別摂取量>
所得と食生活に関する状況では世帯所得が600万円以上の世帯に比較して200万円未満の世帯では穀物摂取量が有意に多く、野菜類及び肉類、きのこ類、乳類摂取量が有意に少なかった。
<エネルギー産生栄養素バランス等>
エネルギー摂取量は世帯所得が600万円以上の世帯に比較して200万円未満の世帯で有意に低かった。
炭水化物エネルギー比率は世帯所得が600万円以上の世帯に比較して200万円未満の世帯で有意に高かった。
たんぱく質エネルギー比率と脂肪エネルギー比率は世帯所得が600万円以上の世帯に比較して200万円未満の世帯で有意に低かった。
「平成26年度 国民健康・栄養調査結果の概要」より

この結果は世帯所得によって食事の内容に差が出てくることを表しています。実際に栄養士の仕事の中でそのことを実感している方は多いと思います。私もそうでした。食事の内容によっては高齢者の低栄養にもつながるため、重要です。世帯所得にあわせた食品の買い方をアドバイスするのも栄養士として大切なことだと思います。調査結果は当然、栄養士には身近なものです。

以下は項目のみですが、どのような調査結果が掲載されているかをご紹介します。

「身体状況及び糖尿病等に関する状況」
<肥満及びやせの状況>
<糖尿病が強く疑われる者の状況>
<血圧に関する状況>
<血中コレステロールに関する状況>

「栄養・食生活に関する状況」
<食塩摂取量の状況>
<野菜摂取量の状況>
<食品の選択に関する状況>
<朝食の欠食に関する状況>

その他に飲酒・喫煙・運動習慣・歩数の状況なども報告されています。項目が多いため、結果については別のコラムでご紹介したいと思います。

国民栄養調査と管理栄養士の仕事の関わり

国民栄養調査は全国の保健所や多くの調査員の方の協力がないと成り立ちません。管理栄養士の仕事の中でも本当に目立たない地味な仕事ですが、国民に関わるとても重要な仕事だと思っています。調査結果は私が栄養士としていろいろな仕事に携わってきた中で、どの仕事にも密接していると実感してきました。ですから国立健康栄養研究所での調査は、私にとってはとても興味深い仕事です。年度末の3月にかけてとても忙しいのですが、ちょっとわくわくする仕事です。

 

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みんなのコメント( 1

    • やまもと よしみ
    • やまもと よしみ
      1324日前

      食事調査は、管理栄養士・栄養士にしか出来ない仕事ですから、国民健康調査において管理栄養士・栄養士の果たす役割は大きいですよね。
      ともて貴重なデーターもあるので、食事調査のスキルを常に磨いていたいと思います。

      拍手 2

WRITER

国民栄養調査での管理栄養士の関わり①

小川 綾子

学生食生活相談では母親のような気持ちで、介護予防の仕事では人生の先輩に教えて頂く気持ちを持ちながら相手の気持ちに添ったサポートをしていきたいと思っています。

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