COLUMN

今回の旬の野菜は2月に旬の「ブロッコリー」です。

ブロッコリーの由来や原産地

アブラナ科の越年草で、和名は芽ハナヤサイ、ミドリハナヤサイ、キダチハナヤサイ、コモチハナヤサイなどなど、たくさんの名前があります。
キャベツの変種で、ヨーロッパ西部の野生キャベツの栽培によって生まれたものとされており、カリフラワーの原種と考えられています。原産地は地中海のクレタ島とも言われています。2世紀ごろには、ローマ人がよく食べていたともいわれています。
ブロッコリーという名前は、イタリア語で『芽』を表すブロコッコの複数形が語源とされています。
茎がアスパラガスのように柔らかいことから、イギリスでは「イタリアン・アスパラガス」、フランスでは「アスパラガス・キャベツ」などと呼ばれ、肉料理には欠かせない野菜として古くから愛されてきました。
日本に入ったのは明治初期あたりですが、観賞用とされていました。第2次世界大戦後に「緑ハクサイ」と呼ばれ本格的に作られるようになりました。広く出回るようになったのは1980年頃になってからです。

ブロッコリーの栄養素

小さなつぼみがたくさん集まった部分を「花蕾(からい)」といいます。ここには花を咲かせるために必要な栄養素が凝縮されています。食物繊維のほかに、カロテン、ビタミンC、ビタミンEが豊富な緑黄色野菜です。また、鉄、リン、カリウム、カルシウム、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、パントテン酸、葉酸も豊富に含まれています。血糖値を下げるインスリンの作用を高めるクロムも多く含まれています。
野菜としては、100g中4.3gとたんぱく質が多く、牛乳130ml分に相当します。 さらに、穀物で不足しがちな必須アミノ酸のリジンも含まれていており、良質なたんぱく質といえます。
ブロッコリーは辛み成分の一種のスルフォラファンが含まれています。食品中ではスルフォラファングルコシノレートとして存在しており、体内で分解されることでスルフォラファンに変わります。
抗酸化作用があり、がん予防にも効果が期待されています。また、グルタチオン-S-トランスフェラーゼの生成を促進する働きがあり、肝臓の解毒作用の促進も期待できます。
もやし状のものがスプラウトの名で出回っていて、成熟したブロッコリーの30~50倍ほど含まれていると言われています。スプラウト専用の種で自宅で栽培することもできます。

ブロッコリーの選び方・保存方法

シャキッとした外葉が新鮮な証です。しおれているものは収穫してから時間がたっています。茎にツヤがあって、空洞がなく、切り口が変色していないものを選ぶといいでしょう。秋 オススメは、つぼみが固く引き締まり、こんもりと盛り上がっているものや鮮やかな緑色で、色ムラがないものです。紫がかっているのは、寒さから身を守るために『アントシアニン』という成分が作られたものです。色が悪いと敬遠しがちですが、寒さにあたって甘みが増している証しです。茹でると緑になります。
つぼみが開きかけたり、黄色く変色したりしているものは鮮度が落ちています。
つぼみが開かないように、水洗いせずにポリ袋に入れて、茎を下にし密封しないで野菜室で冷蔵しましょう。新鮮なものほど、甘みがあるので早めに食べきりましょう。
寒さなどから身を守るため、ロウ状の物質を出します。洗ったり、茹でたりした時に油のようなものが浮くのはこのためですので心配はないでしょう。
新鮮なブロッコリーはつぼみがギュッとしていて洗いにくいので、水にたっぷりとつけて、ふり洗いをするといいでしょう。

ブロッコリーの調理方法

栄養価の高いブロッコリーを効果的に利用するには、少量の水で短時間で硬めに茹でてざるにあげ、水にさらさずそのまま冷ますとよいでしょう。水にさらすと香りと食感も損われてしまいます。電子レンジでの加熱調理もOKです。水を使わずに、生のまま炒めたり揚げたりしても、成分の損失は少なくなります。
茎の部分は、甘味も栄養も豊富なので、表面の硬い皮はむいて、スライスして残さず食べましょう。茹でてそのまま彩りとして添えてもいいですし、煮ても、炒めても、焼いてもおいしくいただけます。サラダ、和え物、パスタやリゾットにも人気です。また、ブロッコリーとアンチョビを生地に練りこんでスコーンなどを作ってもいいですね。

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参考文献
・とれたて大百科 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝緑 明治書院 2005
・『新・野菜の便利帳 健康編』 名取貴光 高橋書店 2016
・『新・野菜の便利帳 おいしい編』 板木利隆 高橋書店 2016
・『機能性野菜の科学』 佐竹元吉 日刊工業新聞社 2016
・『野菜園芸大事典 第4版』 養賢堂 1988
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『原色食品図鑑 第2版』 菅原龍幸 井上四郎 建帛社 2008

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みんなのコメント( 2

    • ID: 59
      2480日前

      ブロッコリーは2月が旬なんですね。早速今夜にでも食べようかと思います。

    • ID: 313
      2484日前

      昔、無農薬のブロッコリーでスープを作ったら、底に白い虫がたくさん沈んでいたことがありました…

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WRITER

小山 幸子

現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等。 『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。 メカオンチのあがり症。 高校卒業後、会社員として8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。 教員より年上の生徒だった経験を持つ異色の栄養士。 毎日書道会 会友 (雅号:小山 桃花)

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