COLUMN

妊娠中の食生活 ①妊娠初期(0~15週)の栄養 はこちら
妊娠中の食生活 ②妊娠中期(16~27週)の栄養 はこちら

いよいよ出産に向けラストスパート

妊娠後期に入ると、赤ちゃんもお母さんのお腹も大きくなり、いよいよ出産に向けてラストスパートです。
この時期は運動不足になったり、便秘、むくみ、貧血、腰痛、息切れ、動悸などを起こしやすくなります。
赤ちゃんのために、引き続きたんぱく質、葉酸、鉄、ビタミン、カルシウムはしっかり摂りましょう。

妊娠後期の食生活のポイント

この時期の食生活のポイントは、以下の通りです。

・妊娠高血圧症候群にならないように、塩分の摂り過ぎに気を付ける。
・胃が圧迫され1回の食事量が減る場合は、小分けにして回数を多く食べる。
・特に赤ちゃんが大きくなるので、鉄を含む食材を今までより意識して摂る。
・お腹が大きくなるにつれて、腸が圧迫され便秘になりやすいので、乳製品や発酵食品、水溶性&不溶性の食物繊維を摂るようにし、腸内環境を整える。

妊娠後期のエネルギー量は、非妊娠時に比べて450kcalも多くなります。
増えたカロリーの分は主食や間食で摂るのではなく、主菜や副菜を増やして調整しましよう。
塩分を摂り過ぎると、血圧や血糖値が上がり、むくみの原因にもなりますので、引き続き薄味の食事を心がけましょう。
いも類やたけのこ、白菜、バナナなどカリウムを多く含む食材を取り入れると、体の中の余分なナトリウムを排出する手助けをしてくれます。

軽い運動を取り入れながら、体重増加に気を付け安定した気持ちで過ごしてください。
陣痛が始まったら、痛みが軽いうちにおにぎりやサンドイッチ、バナナなど、消化に負担がかからず、エネルギーに変わりやすいものを食べておくと良いですよ。

参考文献
日本人の食事摂取基準 第一出版 2014
赤ちゃんすくすく時期別妊娠中の食事 笠井靖代・佐藤真之介 西東社 2016
妊娠中の食事と栄養 牧野直子・浦野晴美 学研 2011
日本人の食事摂取基準(2020年版)

関連コラム
妊娠中に摂りたい栄養素とは
妊娠中の食生活のポイント
妊娠糖尿病とは?

※2020.05.28 食事摂取基準の改定により、コラムを一部リライトしました。

みんなのコメント( 1

    • ID: 313
      2643日前

      食べ過ぎると体重増加が怖いし、食べないと栄養不足が怖いし、難しい時期ですよね

"妊娠中に注意したい食事"のバックナンバー

もっと見る

WRITER

若林 由香里

大学卒業後、社員食堂、病院、老人保健施設で大量調理、献立作成、衛生管理など委託と直営の管理栄養士としての経験を積み、3人の子どもに恵まれ育児に専念。食の大切さを痛感する。委託会社の栄養士パートから社会復帰し、保健センターで乳幼児健診の集団や個別指導、保育園やデリカの献立作成、介護研修の料理講師など幅広く活動。

若林 由香里さんのコラム一覧

関連タグ

関連コラム

"妊娠・出産・育児"に関するコラム

もっと見る