2020年2月7日(金)13:30~14:30、ローソンホーム薬局西蒲田店にて栄養と運動のセミナーを開催しました。
このセミナーはEatreat株式会社が主催し、大田区地域包括支援センター西蒲田様、ローソン株式会社様に協力いただいています。
ケアローソンに管理栄養士がいることで、地域のコミュニティや身近な健康拠点となり、健康について気軽に相談できる場となることを目指し、2019年11月より管理栄養士が行う地域セミナー「栄養と運動のセミナー」がスタートしました。
今回が第5回目の開催で、テーマは「おいしく食べてますか?よく噛んでますか?オーラルフレイル予防」でした。リピーターを含め、6名の方にご参加いただきました。
「オーラルフレイルとは何か」を解説
まずは栄養セミナーです。大田区在住の管理栄養士井上千尋と大塚あやの2名が担当しました。「食事中にむせる・食べこぼす」「舌や頬をかむ」「食欲がない・少ししか食べない」「やわらかいものばかり食べる」「滑舌が悪い・舌が回らない」「口が乾く・臭いが気になる」「自分の歯がない・あごの力が弱い」などオーラルフレイルのサインをご紹介、ご自身や身近な人の様子を振り返っていただきました。
そして【オーラルフレイル】とは何か?を丁寧に解説しました。オーラルフレイルのサインはほんの些細な症状であり、見逃しやすく、気がつきにくいことが特徴です。おおむね50代から始まり、食べ物のかすが口に残るようになり、口腔内での細菌繁殖、誤嚥性肺炎の原因にもなります。
このオーラルフレイルを予防することが、全身の虚弱(フレイル)を防ぎ、健康寿命の延伸に大きく寄与します。
これまでの口腔の健康指標の代表は歯の数でした。「8020運動」については参加者の皆さんもよくご存知でした。しかし、近年、口腔機能の低下も身体の衰えに大きく関わってくることがわかり、現在は歯の数に加えプラス口腔機能維持も大切という考えに変わってきていることをお話ししました。
また、参加者の皆さんに「オーラルフレイルチェック!」をやっていただきました。8項目に「はい、いいえ」で回答してもらい、合計点数を算出すると、オーラルフレイルの危険性が低い方と高い方の2群にわかれました。
オーラルフレイル予防のために
オーラルフレイルを防ぐためには、「口腔内を清潔に保つ」ことと、「舌やのどの老化を遅らせる」ことが大切です。具体的にどうすればよいか、皆さんに考えていただきながら進めていきました。活発に意見が出て皆さんの日頃の様子を知ることができました。
「口腔内を清潔に保つ」のポイントの一つが唾液です。唾液のすばらしい働きをご紹介し分泌を促す方法論をご紹介しました。日頃のオーラルケア、義歯の適切な使用・管理、定期的な歯科受診も大切です。
「舌やのどの老化を遅らせる」ために、食事やおしゃべりなどで、口や舌を日常的にしっかり動かすことや外出頻度・社会交流を増やすことも重要てす。舌の筋力が衰えると全身の筋力も一緒に虚弱化してしまいます。
その後、
「口呼吸と鼻呼吸、どちらがよいか?」
「口歯磨きのチャンスが1日に一度しかないとしたらいつ行うのがよいか?」
「正しい入れ歯ケアは?」
など、クイズを通じてその根拠をお伝えし、行動促進を促しました。
また、実際に唾液腺マッサージを皆さんで体験していただいたり、咀嚼チェックガムを60回噛んでもらい、咀嚼能力をチェックしました。ガムを噛むことにより、噛むために必要な筋肉を鍛えることができます。
運動セミナーみんなで「パタカラ体操」
後半は運動セミナーです。地域包括支援センター職員の方にご担当いただきました。「パ」「タ」「カ」「ラ」をそれぞれ発音するパタカラ体操を行いました。
「パ」の音は、口をしっかり閉じて発音します。
唇を閉じる筋肉が鍛えられることで、口の中の食べ物をこぼさないようにすることができます。
「タ」の音は、舌を上あごにくっつくように発音します。舌の筋肉が鍛えられ、食べ物をしっかり押しつぶしたり、飲み込んだりすることができます。
「カ」の音は、のどの奥を意識して発音することが大切です。のどを閉じることで、誤嚥せずに食べ物を食道に送ることができるようになります。
「ラ」の音は、舌をまるめて発音することを意識します。舌をまるめてよく動くようにすることで、舌の筋肉のトレーニングになる。舌で食べ物を喉の奥に運び、食べ物をまるめて飲み込みやすくなります。
「大きな声で」「一文字一文字」「はっきりと」意識して声に出していただきました。
座談会で盛り上がる
セミナーの後は管理栄養士も加わり皆さんで座談会です。おしゃべりをすることで、口をしっかり動かすこともオーラルフレイル予防になります。既に義歯を使用されオーラルフレイルが気になって参加された方や、28本歯が残っており表彰されたという方などさまざまでした。
また、参加者の皆さんからは次のような感想をいただきました。
○このようなお話をつづけてください。(80代女性)
○大変わかりやすく楽しい会でした。皆様に伝わっていけばいいですね。(40代女性)
○とてもわかりやすく楽しく参加できました。口腔大切ですね。(40代女性)
○大変いいお話ありがとうございました。(80代女性)
最後に、アサヒグループ食品様からは「オーラルプラス」シリーズの「うるおいキャンディ」2品をお土産としてご提供いただき、皆さん喜んでおられました。
Eatreatから今回の取り組みについて
今回の取り組みは、ローソン様、大田区地域包括支援センター西の蒲田様と一緒に進めています。
コンビニという地域の拠点となる場所をベースとし、地域のみなさまに栄養士の存在を知っていただくのも大きな目的です。
元気な一生を送るための大事な要素である『食』。
栄養のことやそれを実践してもらうキッカケづくりをすることで、地域貢献ができるような取り組みにしていきます。
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