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第6の栄養素ともいわれ、さまざまな働きがあることで注目されている食物繊維。実際、どんな働きをしているかご存知でしょうか? 今回は、食物繊維の働きや多く含まれている食品、過剰摂取や摂取不足による影響などを解説します。

食物繊維とはどんな栄養素?

食物繊維は人の消化酵素では消化することができない成分です。さまざまな種類が存在していますが、水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」に大きく分けることができます。エネルギーがないと思われがちですが、腸内細菌の働きにより一部が発酵、分解されることで、0~2kcal/gのエネルギーを生成しているとみられます。

体内ではどんな働きをする?

食物繊維は便のかさを増加させたり、腸を刺激して蠕動運動を活発にすることで便の排泄をスムーズにする効果があります。また、有害物質を排泄して腸内環境を整えるため、大腸がんなどを予防する効果があると考えられています。さらに、食べ物の消化速度を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑制したり、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。これにより、糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病の予防にも効果が期待できます。食事の腹持ちもよくなるため、肥満の予防にも効果があるといわれています。

どんな食品に多く含まれているか

食物繊維は主に植物の細胞壁を構成している成分で、穀類、豆類、野菜類、きのこ類、海藻類といった植物性食品に多く含まれています。肉や魚などの動物性食品にはほとんど含まれていません。
食品では、押し麦やライ麦パン、そば、おから、生しいたけ、えのき、ごぼう、モロヘイヤ、角寒天、焼きのりなどに多く含まれています。

 

過剰摂取や摂取不足による健康への弊害

現代の食生活において、食物繊維は不足しがちな栄養素の一つです。摂取が不足すると、腸内環境の悪化により便秘になりやすくなったり、大腸がんや生活習慣病の発症リスクが高くなるといわれています。
過剰摂取の心配はほぼないといわれていますが、あまりに多くとりすぎてしまうと、人によってはお腹がゆるくなってしまったり、必要な栄養素の吸収が抑制されることがあるといわれています。

管理栄養士が伝授!食物繊維を上手に食事からとるコツ!

普段の食事の中でも摂取する頻度が高いのは主食のため、主食を食物繊維が豊富な穀類にすると効率よく摂取できます。例えば、白飯に玄米や胚芽米、雑穀などを混ぜて炊いたり、食パンをライ麦パンに変えてみましょう。野菜を意識してたっぷりとることでも食物繊維を摂取することができます。また、サラダの上に大豆や海藻をトッピングしたり、味噌汁にきのこを入れるのもおすすめです。目標量を摂取するには、食物繊維が豊富な食材を毎食欠かさず意識して取り入れることが大切です。

 

参考文献
・厚生労働省:「「日本人の食品摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書」、厚生労働省、 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html、(閲覧日:2022年3月3日)
・厚生労働省:「食物繊維」、e-ヘルスケアネット、https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html、(閲覧日:2022年3月3日)
・厚生労働省:「食物繊維の必要性と健康」、e-ヘルスケアネット、https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html、(閲覧日:2022年3月3日)
・厚生労働省:「令和元年国民健康・栄養調査報告、厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html、(閲覧日:2022年3月3日)
・吉田企世子・松田早苗:「正しい知識で健康をつくるあたらしい栄養学」、髙橋書店、(2021)

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WRITER

栄養素辞典④「食物繊維とは?」

宮﨑 奈津季

女子栄養大学栄養学部実践栄養学科卒業。 介護食品メーカーで営業に従事した後、独立。 料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。 Chatwork、Slack、Zoom、Wordpressなどの使用経験あり。

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