今回の旬の野菜は3月が旬の「ウド」です。
ウドの原産は日本
ウドは、ウコギ科の多年草です。和名、英名ともにウドと言います。その他にウント、クサダラ、ケウド、セナー、ツチダラ、トーゼンなど呼ばれています。原産は日本で、東洋に広く分布しています。
漢字の「独活」は、長く伸びた葉柄が、風がなくても動くところからついたと言われています。
ウドの大木と言いますが、これは大きくなったウドが食用にも材木にもならないところから、「大きいばかりで役に立たないもの」の例えにされた言葉になります。
野菜としてのウドは、江戸時代初期の書物「清良記」(1654年頃)に、野生種を採取して利用したという記述があります。その当時は高い価格で販売され、幕府はぜいたく品として販売を禁止した事もあったとされています。
栽培はほとんどが地下でおこなわれる軟化栽培
現在は、ほとんどが地下の室で光を当てずに栽培された軟化栽培のもので、香りがよく白くて柔らかく、香りと歯触りが魅力です。上質なものはアクもなく、穂先は皮ごと食べることができます。
ウドは地下3mほどのところにある、小さな穴の中で栽培されています。
また、山野に自生のものは山ウドと呼ばれ、日光に浴びているので緑化しています。
アクの成分はポリフェノール系物質で、切ったものが空気に触れると酵素が作用して褐変します。山ウドの方がアクは強めです。
アスパラギン酸を豊富に含むウドの栄養素
ミネラルやビタミン含量は少ないのですが、アスパラギン酸が多く、新陳代謝を高めて疲労の回復を助ける効果があります。アスパラギン酸は体内で作られるものではありますが、不足すると疲れやすく、抵抗力が弱まったりします。また、アンモニアなどの有害物質を体外に排泄し、神経を守る効果も期待できます。
クロロゲン酸も含み、老化やがん予防、日焼けによるメラニンの抑制効果などがあります。
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おいしいウドの選び方と保存方法、調理法
表面のうぶ毛が全体に密についていて、触ると痛いぐらいのもの、赤い節以外の部分が純白で、ツヤがあるものが良いでしょう。茎の赤い斑点が褐色になっているものは、鮮度が落ちているので控えましょう。根元が赤緑色のものは硬くなっていることが多いとされています。
光が当たると硬くなるので、新聞紙で包んで冷暗所へ保存しましょう。
皮を厚くむいたら、すぐに水につけましょう。酢水にすると、より白く仕上がります。茹でる時も酢を加えるとさらに白くなります。
食べ方は、生でサラダや酢のものに。煮物にも向いています。厚くむいた皮はきんぴらに。穂先は天ぷらに。味噌にも合うので、汁物にもいいですね。オススメは噛み応えのあるいかやタコと合わせてあえ物などにも。炒める時はバターにも合います。
参考文献
・とれたて大百科 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝緑 明治書院 2005
・『新・野菜の便利帳』 おいしい編 板木利隆 高橋書店 2016
・『旬の野菜の栄養事典』 吉田企世子 エクスナレッジ 2016
・『機能性野菜の科学』 佐竹元吉 日刊工業新聞社 2016
・『原色食品図鑑 第2版』 菅原龍幸 井上四郎 建帛社 2008
・『野菜園芸大事典 第4版』 養賢堂 1988
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016