今回の旬の野菜は4月に旬の「ふき」です。
ごぼうと並んで日本最古の特産野菜と言われる「ふき」
キク科の多年草。和名はふき。原産地は日本。つぼみはふきのとうです。
古書に「布々岐・布夫伎(ふぶき)」または「布由岐(ふゆき)」など字句が見られ、元禄13年(1700年)日本釈名(下巻)によると、「ふきはふゆきのゆを略せり、冬黄那の花咲くゆへなり」とあり、文化元年(1804年)成形図説によると、「布夫伎はその花の形に取ぬるよし…」と記されているように、花にふきの語源の関係があるようです。
また延長6年(928年)以前、既に栽培されていたとされ、ごぼうとともに日本の特産野菜の中で最も古いものとされています。
野菜として市場には出回らない「ふき」
栽培されている品種は少ないとされています。なかでも秋田ふきは一般のふきに比べて繊維が3倍近くあり、高さが1.5~2m、茎の周囲が20㎝、葉の直径が1~1.5mにもなります。硬くて調理しにくいため、砂糖漬けやふき羊羹などお菓子の材料として利用されています。野菜として市場に出回ることはほとんどありません。
「ふき」に含まれる栄養素
水分がおよそ96%と多い野菜です。ビタミンの含量は少なめですが、カリウム、マンガン、食物繊維が豊富です。歯ざわりや、ほろ苦さ、季節感を楽しみ野菜とも言えます。
クロロゲン酸、ケンフェロール、フキノール酸など多種類のポリフェノールが含まれています。
太さが均一で緑色の濃いもので、赤味の多いものを。葉がしおれていたり、黒ずみのあったりするものや、葉柄がしなるものほど鮮度が落ちています。茎の根元を持ってみて、あまりしならないものを。葉柄が太すぎるのも筋っぽいので控えましょう。また、太さは直径2㎝ぐらいのものを目安に選びましょう。
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「ふき」の保存方法と調理のコツ
鮮度が落ちやすいので、茎は茹でて皮をむき、水を張った密閉容器に入れて冷蔵庫へ。毎日水を取り替えながら2-3日で使いきりましょう。
葉はアクが強いので、茹でたらしばらく水にさらす作業をアクがなくなるまで数回繰り返しましょう。鍋の大きさに切りそろえ、まな板にのせて塩をたっぷりふり、両手で転がして板ずりをします。
熱湯でしなやかになるまで茹で、水に漬けてさらしてから皮をむきます。
皮は一方からだけだと筋が残りやすいので、両方の切り口からむきましょう。
生のふきはアクが強く、指先が黒くなりますが、茹でてからむくと黒くならずきれいにむけます。
だし・酒・砂糖・塩で青煮、塩をしょう油に代えて煮つけも。きんぴら、天ぷら、和え物もおすすめです。
また、ミキサーにかけ、砂糖、レモン汁、塩こうじを少量入れてふきジャムのような食べ方も。北陸では、ふきのとうをお雑煮に入れる習慣もあるようです。葉は佃煮にしてもおいしくいただけます。
参考文献
・『とれたて大百科』 JAグループホームページ https://life.ja-group.jp
・『七訂 食品成分表2016』 女子栄養大学出版部 2016
・『野菜の効用事典』 山口米子 大滝 緑 明治書院 2005
・『新・野菜の便利帳 おいしい編』 板木利隆 高橋書店 2016
・『旬の野菜の栄養事典 』吉田企世子 エクスナレッジ 2016
・『農家が教える産地のイチおし旬レシピ』 農山漁村文化協会 2015
・『簡明食辞林 第2版』 樹村房 1997
・『野菜園芸大事典 第4版』 養賢堂 1988
・『地域食材大百科 第2巻』 農山漁村文化協会 2010
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